ファッションスタイリスト佐藤佳菜子さんが日常のおしゃれについてのアイデアや思いを綴る連載です。
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たくさんあるのに、どうしても買ってしまうもの。それはローファー。もういらんだろ、どうせそんなに印象は変わらないと思いながらも、強い引力を感じてどうしても手に取ってしまう。
今春、甘いものや明るい色のものが欲しくなって久しぶりに立ち寄ったミュウミュウで、最初は違う靴を試したのに、結局買ったのはローファー。なんなの? 呪い?? ローファーを買うように仕向けられる呪いなの?? 呪いといっても暗さが1ミリもないポップな呪い。ただただ喜んでローファーを買ってしまうだけ。
新入りは、ずっと探していたコイン入り。もうこれを見たら最後だった。「ちょっとあのローファーも履いてみていいですか」と光の速さで口がしゃべっていた。思えば、わたしとローファーの出会いは小学校の制服。学校の靴はもちろん、このミュウミュウほどのボリュームではなかったけれど、小さなコインの入った黒いふつうのペニーローファーだった。大人になってからも、あの懐かしいコイン入りのローファーが欲しいと、ふと思い出しては探してみるものの、なかなか出会わず。前に、ラルフローレンのプレスルームでクラシックなコイン入りのものを見たけれど、それは数年前の商品でそのときには手に入らないものだった。くぅー。無念。
というようなことを経て、ようやく我が家にやってきたコイン入りのお方。その昔、履いていた正統派なものとは、趣が違うけれどこれはこれ。わたしの最近のスタメンに仲間入りしました。
もうここまで来たら、きっとおばあちゃんになっても履くでしょうね。未来のわたしはローファーBBA。長引く呪い。いやはや、わたし自身が前世でローファーだった可能性ないかな。靴からヒトへ。華麗なる輪廻転生。どうしよう、今日はもうくだらないことしか思いつかない。
春服が着たいけど、今日は外気温4度のなか、ビル風がびゅんびゅん吹きすさぶ丸の内でロケがあるので、無理です、無理です。仕方なしに冬服中の冬服な朝7:00。ただ、足元だけの小さな春をお手軽に楽しむ。本格的な春服はもう少しおあずけです。
ピグミ様も小さな喜びを見つける天才です。部屋の中にできた30センチ四方ほどの、ほんの小さな陽だまりに身を寄せて日向ぼっこをする。上手だねぇ、見逃さないねぇ。
今週もあと少しですね。ご婦人方、今日もそれぞれがんばりましょう。
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文/佐藤佳菜子
構成/高橋香奈子
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