「ちょっと手伝ってくれない?」と言われたらホイホイ引き受けて
ーー失敗したらどうしようというのは、どうしても考えてしまいます。年齢を重ねるごとに、迷惑をかけたくない、否定されたくないという気持ちが強くなっているような。
紫乃ママ:私たちは、昔でいう"オバタリアン"の世代になったのに、ぜんぜん図々しくなれていないんですよね。少女のような傷つきやすいガラスのハートを持ち続けている人も多い。でも、失敗体験も含めた経験値の多さが、私たちの世代の強みじゃない? 失敗したことがあるから失敗からの立ち直り方も本当は知っているはず。それを思い出してほしい。謝り方や立ち去り方のスキルも身についているから、リカバリーも早いはずなんです。
出来ないことや苦手なことはもう分かっているんだから、それは人に任せればいい。得意な人がどこにいるかという地図を持っているのも、私たち世代ならではでしょう。自分だと何時間もかかるけど、他の人であれば30分でできることがあれば、それは「お願い!」と素直にできる人に依頼すればいいのです。そのほうが誰にとってもいい結果になりますよね。
ーー確かに、難しいと決めつけているのは自分自身なのかもしれませんね。とはいえ、新しいコミュニティーに入っていくのには、やっぱり勇気がいります。
紫乃ママ:縁をつないでいくというのは、異業種交流会のような集まりに参加しまくることではないです。出会うだけじゃ何も始まらなくて、一緒に活動することでお互いを知り、人脈は広がっていくもの。その時に重要なのは、まずは自分からギブをすること。最初はお手伝いという形で、共通目的を持って一緒に行動していくことが大事です。それを続けていくと、自分がどんなことをたくさん頼まれるかが見えてきて、他者が自分に求めるもの、得意だと思われているもの等、ニーズが分かってくる。それを分析することで、何が人の役に立つのか、自分が発揮できる価値の種類や具体的なスキルが見えてくるんじゃないかな? 「こんな程度ではスキルなんて言えない」や「資格を取ってからでないと」なんて思わなくていいんです。お手伝いをしてもらって嫌がる人なんていないんだから。
「私こんなことできるから困ったことがあったら言って!」と周囲に言っておくことも大事。「ちょっと手伝ってくれない?」と言われたらホイホイついていけばいいのよ。それから、いつも機嫌よくいることも大事。負のオーラを出してる人には声をかけづらいもの。人に頼みごとをされやすい状態でいることを意識しておくと、意外とすんなりパラレルキャリアの道が開けていくと思いますよ。
〜パラレルキャリアを始めたいあなたへ、紫乃ママからのアドバイス〜
▪️自己分析のやりすぎにはご注意!”軽はずみ力”でまずは行動を。
▪️頼まれごとからニーズが見えてくる。自分にできることからギブしよう。
▪️どんな時も機嫌よく、人とのご縁を大切に。
「好き」や「強み」を生かすことがパラレルキャリア、だからこそ人より秀でたものがないと始められないと思いがち。紫乃ママのお話は、そんなスタートのハードルをグッと下げてくれるものでした。
次回は、パラレルキャリアへの一歩をすでに踏み出した〔ミモレ編集室〕のメンバーにインタビュー。実際に行動を始めてからの変化について掘り下げます。
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