老人ホーム選びは4つのポイントで考えて
老人ホームを検討する際、大きく分けて以下の4つの項目があります
慶子さんの父親は、現時点では介護度が低く持病もないため、①の場所・立地、そして②の料金を優先的に施設を探したいとのこと。では具体的に何を基準に選べば良いのか見ていきましょう。
場所・立地はどう考える?
慶子さんとお父様はもともと首都圏に住んでいたため、どこの場所を選ぶかということはそれほど問題ではありませんでしたが、そもそも施設は実家か介護者の自宅、どちらの近くが良いのでしょうか。
個人的な見解ですが、介護者である子の家の近くから選ぶことをお勧めします。理由としては、面会にできるだけ行っていただきたいこと、それから通院などの付き添いや入院も今後頻繁に起こる可能性があるからです。
実家が遠方の場合、交通費も施設までの往復時間も負担になります。知らない土地の老人ホームに入居すると、人間関係が変わって馴染めないと心配する人もいるかもしれませんが、親が住んでいる地域の施設だからといって、地元の人ばかりというわけではありません。正直なところ、施設では日常の身体のお世話に追われて外出の期待はさほどできません。それであれば、すぐに駆け付けられる距離で、残された時間を一緒に過ごすことを優先させても良いのではないでしょうか。
料金もピンキリ、何がいいの?
有料老人ホームの入居にかかる費用には、入居時に必要な一時金と月額利用料の2つがあります。支払い方法は施設によって異なり、入居時に一時金として数百万から数千万円のまとまった金額を支払って月額利用料を抑える契約と、一時金は支払わずに月々の利用料が多少高くなる契約があります。
お勧めは入居金を支払わない後者の契約です。入居後、その施設が合わない時に生じる退去のリスクも少なく、万が一経営母体が倒産しても、トラブルに巻き込まれるリスクが軽減できます。倒産してしまった場合、一時金は100%戻らないか、戻ったとしても交渉に時間がかかってしまいます。高齢者にはただでさえ残された時間が少ないので、そんなことで余計な心配はしたくないものです。
老人ホームの料金比較
今回の慶子さんのケースを、月額利用料のみで考えてみました。
管理費は主に「事務管理部門の人件費及び事務費」「栄養士その他フード部門の人件費」「厨房管理費及び備品」など、共益費は主に「水道光熱費」「共用施設維持管理費」にあたります。
家賃を軸に介護体制と受け入れ条件を検討
いずれも慶子さんの住まいからは45分とさほど変わりません。ここで大きく注目して欲しいのは家賃です。賃貸住宅も立地によって賃貸料に変化がありますが、有料老人ホームも同じ考えです。駅からの距離より環境を優先したい老人ホーム。介護者宅からの時間も考慮しつつ、家賃に注目した上で介護体制と受け入れ条件について検討することをお勧めします。
老人ホームを選ぶときの着目ポイントと実際の料金サンプルはこちら
▼右にスワイプしてください▼
構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
編集/佐野倫子
前回記事「「同じ薬でも調剤薬局によって金額が違う...」知らずに損している薬の値段」>>
- 1
- 2
Comment