データを開放することで「誰かが勝手に」進化させてくれる

 

この〈マスクマップ〉は、1000人以上のシビックハッカー(社会問題の解決に取り組む民間のエンジニア)らによって、さらにLINEボットやテレグラム、SiriやGoogleアシスタントなど、130以上のアプリケーションへと応用されていきました。公務員である私がまずスピーディにバージョン1を作ったことは、「拋磚引玉(ほうせんいんぎょく。ことわざ。自らが粗い詩や未成熟な意見をはじめに出すことで、多くの優れた反響を引き出すこと)」であるということがいえます。

 

従来、政府案件はコンペに参加しないと、民間側で必要なデータさえ手にすることができず、何かを作ることはできませんでした。それが今では多くのデータが「Open API」で提供されています。これは、コンペで案件を勝ち取ったベンダーに対して、成果物もまた「Open API」で公開するよう政府側からも要求することができるということです。作ったものを批判する人がいても「データはここにあります。あなたがやってみてください」と言うことができます。