オープンデータは各省庁の「仕事効率化」にも貢献

 

だから今、誰も部長(大臣に相当)たちに対して、これまでのように「なぜこのようにしないんですか」「なぜあのようにしないんですか」と問い詰めなくなりました。疑問を持つ人は、自分自身の手で疑問を解決できるようになったからです。

 

もちろん「Open API」を推進し始めたばかりの頃は、多くの省庁が自分たちのデータを外部のベンダーに商業利用させることのメリットを理解できずにいました。「ベンダーはそれによってビジネスチャンスが増えるかもしれないが、公務員側にとって何か価値があるのだろうか?」と。

けれど現在は違います。皆が「多くの人々が自分に質問しに来たとしても、自分は一度だけ回答すればよく、しかも自分が一度何かを発表しただけで、人々はそれを見た後にお互いに討論するから、自分は時間をそこに割かなくて済む。そしてたくさんの人に向けて何度も話すうち、うっかり相違が生じることもなくなる」というのが最大のメリットであると、しっかり理解しています。

つまり、オープンにすることで、公務員側が何度も重複して回答する時間と労力を節約できるようになっただけでなく、クリエイティビティのある人を制限するものがなくなったということですね。これは日本の皆さんにも参考にしていただけるのではないでしょうか。