親が遠距離介護の交通費を負担するケースは5〜8割!?


介護にかかる子の交通費を親(介護者)が負担するケースは5〜8割と言われています。また、兄妹がいる場合は兄妹同士で負担し合うケースも見受けられますが、誰が負担するにせよ出費は極力抑えたいもの。そこで介護帰省に使える各社の割引制度を見ていきましょう。

 
 


知っておきたい飛行機の介護帰省割引


国内の航空会社は、日本航空、全日空、スターフライヤー、ソラシドエアの四社が介護帰省割引という運賃を設定しています。介護者だけでなく、介護される人も割引の対象となります。

■日本航空
東京(羽田)⇔大阪(伊丹) 通常料金26250円→介護割引17000円 割引率35%

■全日本空輸
東京(羽田)⇔大阪(伊丹) 通常料金26150円→介護割引17000円 割引率34%

■スターフライヤー
東京(羽田)⇔大阪(伊丹) 通常料金24430円→介護割引15050円 割引率37%

■ソラシドエア
割引率は路線によって変わります。

割引率は時期によって変動し、3~4割と早期割引に比べて少ないかもしれません。しかし急に帰る必要性が生じるのが介護というもの。あらかじめ先の予定を組めるのであれば早期割引がお得ですが、急な帰省には介護割引を利用するなど、使い分けをオススメします。

また、ご存知の方も多いと思いますが、格安航空会社(LCC)は一般の航空会社よりもサービスをシンプルにしているため、格安で搭乗できます。都内在住の方は成田空港からの出発となるなど多少の不便さは否めませんが、帰省の際にはLCCを活用するのも1つの手です。


 


JRはお得なサイトで割引チケットを


一方、JRには介護割引のような制度がないため、以下のようなJR公式サイトで割引率の高いチケットを検討するのがオススメです。

■えきねっと
全国の新幹線、JR特急列車

■エクスプレス予約
東海道新幹線、山陽新幹線

■e5489(いいごよやく) 
山陽・九州新幹線(新大阪~鹿児島中央)、北陸新幹線(金沢~東京)、JR西日本・JR四国・JR九州エリアの特急列車(一部快速列車含む)

■ジパング倶楽部
女性60歳以上、男性65歳以上であれば、全国のJRの運賃・料金が割引に

 


介護帰省には勤務先の福利厚生も活用して


介護帰省には、勤務先の「カフェテリアプラン(福利厚生)」を使うという方法もあります。カフェテリアプランはポイント制の選択型福利厚生制度で、従業員は付与されたポイントの範囲内で、あらかじめ用意された福利厚生サービスの中から好きなものを選択できる仕組みです。

多くの企業が介護に関する福利厚生メニューを用意しており、親が要介護状態であれば介護関連費用補助が使えるなど、介護帰省の費用申請が可能なケースもあります。勤務先にこの制度があるようでしたら、ぜひ一度確認してみてください。利用できる介護の度合いは加入している福利厚生によって異なり、もっとも介護度の低い要支援1から使えることもあります。
 

介護帰省に使いたい各社の割引一覧はこちら
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写真/Shutterstock
構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
編集/佐野倫子

 

 

 


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