普段よりも10倍明るく、10倍笑顔で


独特の映像美と世界観を持つ蜷川実花さんですが、監督として出演者にも細かい指示を与えていると思いきや、「特に言われたことはないかも」という二人。

神木:特に何も言われなかったんですよね。かっこいい、いいねとか、すごく褒めてもらえました。

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©2022 映画「ホリック」製作委員会 ⓒCLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD./講談社

玉城:たぶん本読みのときに何か言われたはずですけど、それ以上に蜷川さんのリアクションが大きくて消えちゃいました。ひまわりは『とにかくかわいらしい女の子であってほしい』と言われていたので、普段の私よりも10倍明るく、10倍笑顔で、声も高くして、女の子のかわいらしい動きを意識していました。

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©2022 映画「ホリック」製作委員会 ⓒCLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD./講談社


神木さんは、“ミセ”の女主人・侑子や、高校の同級生であるひまわりや百目鬼のことを“平和チーム”、四月一日を闇の世界に引きずり込もうとする女郎蜘蛛とその手下・アカグモのことを“悪だくみチーム”と名付け、それぞれのチームとの場面で、四月一日の異なる表情を表現していたといいます。

神木:悪だくみチームは僕を闇の世界に誘おうとするので、僕にとって甘い言葉をかけてきます。なので、弱い顔が出るんじゃないかなと思いました。それが、四月一日の本当の姿っぽい気がしたんですよね。でも、平和チームの前では、そういう弱さを見せず、なるべく強くいようと思っていました。

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玉城さん演じるひまわりは、いつも明るくて元気な少女ですが、笑顔の陰に謎を秘めています。玉城さんは、ひまわりのことを多面的で共感してもらいやすいキャラクターではないかと分析しています。

玉城:ひまわりちゃんはすごくいい子。小さい頃のトラウマや自分が抱えているものを理解していて、天真爛漫だけどちゃんと自分で言葉を選んで喋っている子だろうな、と思いながら演じていました。人間って多面的で、自分の中でいろんな面を使い分けていると思うんですけど、ひまわりはそこをわかりやすくしたキャラクター。だから、意外に共感してもらいやすいんじゃないかと思っています。

 


映画では、柴咲コウさん演じるミセが、願いをなんでも叶える代わりに“一番大切なもの”を差し出すようにと要求します。お二人に、「たとえ対価を払ってでも叶えたい願いは?」と聞いてみました。

神木:身長をもっと伸ばしたいです! 177cmくらい。本当はもっと背が高くなる予定だったんですけどね(笑)。 

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――もし漫画原作の実写化を演じるとしたら?
「漫画は結構読んでいるのですが、いまちょっと気になっているのは、『神木兄弟おことわり』という少女漫画があるんですけど、作者の方になぜ神木という名前なのか聞いてみたいです」


玉城:私は対価を払いたくないし、叶えたいものはないかもしれないですね。現状に満足しているわけじゃないんですけど、私のお仕事は自分が思った通りに役が来るわけでもなかったりするので、柔軟性や受け入れる力が大事と思っています。だからあまり多くを願わないようにしています。

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――もし漫画原作の実写化を演じるとしたら?
「漫画は人に『面白いよ』と勧めたら読んだりしています。自分でこの作品をやりたいというのはないのですが、『このキャラを演じてほしい』と私の名前が挙げていただくことが結構多くて、私が漫画っぽいならそれを生かしたほうがいいのかな、と思ったりしますね。すごく強い役とかいいですね」


現場ではスタッフと俳優陣の垣根を超えてみんな仲がよく、神木さんは玉城さんのことを「ティー」と、松村北斗さんのことを「松ちゃん」と呼び、時にはふざけつつ、楽しく撮影ができたと振り返ります。蜷川さんが10年の歳月を費やして創り、神木さんや玉城さんをはじめとする実力派俳優たちが、多彩で美しいセットの数々を舞台に、キャラクターに息を吹き込んでいきました。華やかで妖しくて、どこまでも美しい映像はぜひ、大きなスクリーンの映画館で体感したいもの。

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神木隆之介
1993年5月19日生まれ。埼玉県出身。95年デビュー後、さまざまな作品に出演。『妖怪大戦争』(05/三池崇史監督)で第 29回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。主な出演作に、『桐島、部活やめるってよ』(12/吉田大八監督)、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(14/大友啓史監督)、『バクマン。』(15/ 大根仁監督) 、『TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ』(16/宮藤官九郎監督)、『君の名は。』(声の出演/16/新海誠監督) 、『3月のライオン 前編・後編』(17/ 大友啓史監督)、『フォルトゥナの瞳』(19/三木孝浩監督)、『屍人荘の殺人』 (19/木村ひさし監督)、『るろうに剣心 最終章 The Final』(21/大友啓史監督)、『ノイズ』(22/廣木隆一監督)。公開待機作に『GHOSTBOOK おばけずかん』(22/山崎貴監督)。

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玉城ティナ
1997年10月8日生まれ。沖縄県出身。映画デビュー作は『天の茶助』(15/SABU監督)。19年に『Diner ダイナー』(蜷川実花監督)、『チワワちゃん』(二宮健監督)、『惡の華』(井口昇監督)、主演作『地獄少女』(白石晃士監督)に出演、第44回報知映画賞新人賞 を受賞。その他の出演作に「FOLLOWERS」(20/蜷川実花監督)、『AI崩壊』(20/入江悠監督)など。公開待機作に『映画 極主夫道』(22年6月3日公開/瑠東東一郎監督)、『グッバイ・クルエル・ワールド』(22年秋公開/大森立嗣監督)。


蜷川監督の撮るダークファンタジー、妖しく美しい世界
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<玉城さん着用>
ブラウス ¥199100、パンツ ¥162800/LANVIN (コロネット tel. 03-5216-6518)
リング 左手 ¥132000、リング 右手 ¥26400、ブレスレット ¥682000/GIGI (ホワイトオフィス tel. 03-5545-5164)

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<映画紹介>
映画『ホリック xxxHOLiC』
2022年4月29日より全国公開中

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監督:蜷川実花
出演:神木隆之介、柴咲コウ、松村北斗、玉城ティナ、DAOKO、モトーラ世理奈、趣里、磯村勇斗、吉岡里帆
原作:CLAMP「xxxHOLiC」(講談社「ヤングマガジン」連載)
脚本:吉田恵里香
音楽:渋谷 慶一郎 
主題歌:SEKAI NO OWARI 「Habit」(ユニバーサル ミュージック)
配給:松竹 アスミック・エース
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撮影/塚田亮平
ヘア&メイク/MIZUHO(VITAMINS・神木さん)、今井貴子(玉城さん)
スタイリング/長瀬哲朗(UM・神木さん)、鈴木麻由(玉城さん)
取材・文/吉川明子
構成/川端里恵(編集部)
 

 

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