介護保険の福祉用具貸与とは?


介護保険認定が下りていれば、介護度に応じて福祉用具をレンタルできます。日常生活の自立、機能訓練、介護者の負担を減らすためなどの目的で福祉用具を借りることができ、費用負担は1~3割。その費用には、搬出入代、組立て代、解体代、アフターサービスも含まれています。

福祉用具のレンタルは、途中で身体の状態が変わったときでも他の製品に機種交換することが可能です。購入するとなかなか買い替えは難しいため、状態が合わなくなっても使い続けることになるかもしれません。一方、レンタルであれば気兼ねなく相談できるのがメリットです。

 
 


介護用ベッド、購入orレンタル? それぞれのコスト感


介護用ベッドのレンタル費用は、1割負担の人で月に800円〜2000円ほど。ベッドの大手、パラマウントベッドでは、背上げと膝上げができる1+1モーターのベッドを14.5万円から販売しています(※マットレスは別売り)。仮にレンタル費用が月額1500円の場合、8年間の総額は14.4万円。金額だけ見ると、8年使ってやっと同じぐらいということになります。


福祉用具貸与の対象は13品目


福祉用具貸与の対象は以下の13品目で、要介護度に応じて異なります。なお、要支援1・2、要介護1の人は、特殊寝台(介護ベッド)、特殊寝台付属品、床ずれ防止用具、体位変換器、車いす、車いす付属品、認知症老人徘徊感知器、移動用リフトは原則保険給付の対象となりません。また、要支援1・2、要介護1・2・3の人は、自動排泄処理装置は原則保険給付の対象からは外れます。詳しくはこちらをご覧ください。

 

福祉用具貸与はケアプランに入れて利用するため、レンタル先は担当のケアマネージャか地域包括支援センターに紹介を依頼してください。また、レンタルにはアフターフォローが欠かせません。レンタル業者と機種選定の相談をする際、アフターサービスについてきちんと確認しましょう。

たとえばマットレスであれば、汚してしまった際の交換について。車いすであれば、タイヤの空気圧やネジのゆるみなどの点検の頻度など。紹介先の業者も、可能であれば複数の業者を紹介してもらい、値段やサービスから信頼できるところを選択できるとベストです。

介護ベッドは値段も張る大物なので、介護保険を使ってレンタルできる要介護2〜5の方は、借りるか買うかどちらにすべきか迷うところです。導入の際には、介護者の身体の状態や経済状況を加味して判断してみてはいかがでしょうか。

 

福祉用具貸与の対象と費用の目安についてはこちら
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写真/Shutterstock
構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
編集/佐野倫子

 

 

 


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