入院時に求められる保証人とは
入院時には、9割以上の病院が身元保証人を求めていると言われています。なぜなのでしょうか?
それは、料金支払いの保証、医療行為の同意、急変時の入退院手続き、遺体や身柄の引き取りなどの保証をしてくれる人が必要だからです。病院から渡される書類を見ると、身元保証人は知人に気軽に頼めるようなものではないことがわかるのではないでしょうか。保証人は1人もしくは2人立てるように言われ、その内容は病院によって異なります。
1人の場合は、さまざまな保証をまとめて1人でカバーするケースが多く、2人の場合は、身元保証人と連帯保証人を別々に求められることがあります。
身元保証人は同意と引き取りが主で、連帯保証人は支払いの保証となります。また、身元保証人は何かあったときにすぐに駆け付けられるように近隣に住んでいることが条件で、連帯保証人は遠方の親族や子どもでも可能なケースが多くあります。
また、保証人を2人求める場合は、別世帯が条件となることもあります。通常は親族が引き受けることがほとんどで、配偶者、成人した子ども、兄弟姉妹などから、誰の名前を使用するのか、できるのかを事前に決めておくと良いでしょう。不明点がある場合は、一度病院に確認してみてください。
書類に印鑑が必要な場合も多いので、もし高齢になって入退院を繰り返すような状況であれば、事前に了承を得た上で認め印を日頃から備えておく、という方法も考えられます。書類の筆頭に記載された身元保証人は窓口となるキーパーソンになるため、病院から連絡が入る可能性があります。
入院には保証金も必要?
保証人だけでなく、通常は入院した日から数日以内に入院保証金(入院時預り金)が必要となります。金額は5万円から、自費入院や個室利用の場合は10万円ほど必要になるケースも。退院時はクレジットカードでの清算が可能でも、この入院保証金は現金のみという病院もあるので注意してください。
支払うと、保証金預かり証というものが渡されます。これを退院時に入退院受付に提出することで、入院費用と相殺され、残金があれば返金されます。入院保証金は、入院によって発生する費用を先に払っているものと言えます。
兄妹で介護をしている場合などは、誰がどこから医療費を支払うかが事前に決まっていないと、突然の費用負担に困惑するケースも出てきます。親族が多い場合は、後々トラブルにならないように「誰のお金を使ったのか」ということを必要に応じて記録しておくことも忘れないでください。
入院時の保証人の主な役割についてはこちら
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構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
編集/佐野倫子
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