グルメサイト「食べログ」の評価をめぐり、同サイトの運営会社に損害賠償を命じる判決がありました。裁判ではサイトにおける評価基準を決定する「アルゴリズム」の妥当性が争われましたが、これは一体どういうことなのでしょうか。

食べログに異例の不当判決。ルールの透明性だけではない「評価」のあるべき形とは_img0
写真:食べログHPより。

皆さんもよくご存知の通り、「食べログ」は飲食店を検索したり予約できるサイトです。同サイトには、利用者からの投稿をもとにした5点満点の評価点が存在しており、多くの人はこの点数でお店を選んでいると言われます。評価点をそのまま100%信用している人は少ないかもしれませんが、それでも人間の自然な心理として、評価点が高い店を選ぶ傾向があるのはその通りではないでしょうか。

 

しかしながら、評価点が店の選択に大きな影響を与えるということになると、点数が少し下がっただけで集客数に相当な影響が及びます。近年こうしたグルメサイトの影響力は極めて大きくなっていますから、場合によってはお店にとって死活問題になることも十分にあり得るでしょう。

今回の裁判で争点となった「アルゴリズム」というのは、評価点をシステム上で自動的に決めるルールのことを指します。一般的にこうしたアルゴリズムは非公開であることが多く、どのような基準で判断されているのか分からないという批判は以前から存在していました。今回の裁判では、アルゴリズムを運営会社側が一方的に変更することが、取引相手に対して不利益を与える「優越的地位の濫用」にあたると認定されました。

アルゴリズムなどという専門用語が出てくると、何やらすごいことのように思えますが、何のことはない「お店を評価する基準」に過ぎません。話を分かりやすくすれば、評価する側が独自に評価ルールを設定し、そのルールを変更したところ、評価された側が不当であると訴えたという流れです。

一方的に評価を下げられた側からすると、基準がはっきりしなければ納得しづらいものがありますし、結果として集客が大幅に減ったということでは、一部の企業が法的措置に乗り出してくることも理解できなくはありません。

このように、評価する側が非公開の基準で評価をするというやり方は、ミシュラン(世界的に有名なレストランやホテルの格付け)を例にあげるまでもなく、以前から存在しており、消費者にとって、ある種の羅針盤となってきたのは事実です。しかし、ミシュランのような格付けの場合、評価する相手も超一流店ということになりますから、力関係はある意味で平等と言ってよいでしょう。

ところがグルメサイトの場合、無数の飲食店を機械的にコンピューターを使って評価することになりますし、膨大な数の消費者がそのサイトを利用します。力関係は明らかにプラットフォーム企業の方が上であり、評価される側の生殺与奪の権利を握ってしまうということも十分にあり得ます。場合によっては、弱いお店をいじめる結果にもなりかねませんから、何らかの措置が必要であることは間違いないでしょう。

 
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