――芸能界にいると、オーディションなどいろんな競争がありそうです。どういうメンタルで乗り越えているのでしょうか。

坂口 ちょっとひねくれてるんですけど、オーディションって5分とか10分じゃないですか。じっくり話したとしても、20分ぐらい。そんな短い時間で僕のことわかるわけないじゃんって思っちゃうんですよ。

 私も、オーディションって良い悪いというより合う合わないで決まるものだと思っていて。だから、そこまで思いつめることはないかなあ。

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坂口 極端な話、自分のことをわかってほしいとも思わず受けに行っていたんで。一度、あるプロデューサーの方に「受からなくても仕方ないみたいな顔をしてたのが良かった」と言われたことがありました。もちろんオーディション自体はちゃんとやるんですけどね。でも、駄目だったらきっと縁がなかったんだろうしって冷めてる自分もいたりして。だから、全然緊張しないんですよね。

 私はむしろ試験の方がドキドキします。18歳で運転免許を取りに行ったときも、結果を待ってる間、どうしてここにいるんだろうって考えてお腹が痛くなりました(笑)。

坂口 僕も免許を取りに行ったとき、試験がその日を逃しちゃうともう免許が取れなくなるタイミングだったんですよ。そのときは久々に緊張したなあ。


 普段の生活でそこまで白黒がつくことってあまりないじゃない? 公取が扱ってる案件って、如実に売り上げという数字が出ちゃうものだから、むしろ芸能の仕事より戦ってる感じはあるなと思いました。そういう場所に身を置いている人の精神力はすごいですよね。それこそスポーツ選手の方とか。

坂口 記録が出るのって結構残酷ですよね。

 しかも、全世界に晒されると思うと観ているこっちまでドキドキする。だから、私、スポーツ番組は変に感情移入しすぎちゃって、ライブでは観られなかったりします。

 


懐かしい絵本をもう1回買い直すことで、心が豊かになれる
 

――では最後に。坂口さんと杏さんは読書家であることが共通点。ぜひお2人からミモレ読者におすすめの本を教えていただけますか。

 それはやっぱり『競争の番人』かな(笑)。

坂口 ですね(笑)。

――じゃあ『競争の番人』は必須として、あともう一声(笑)。

 最近、世界のご飯や世界のおやつを1冊にまとめた本を読んだんですよ。今までレシピ本を1ページ目からまる1冊全部つくるということをやってみたことがなかったので、ちょっとやってみたいなと思いました。そういう料理の本は読むのも楽しいし、自分で試すのも楽しいから、やっぱり面白いですよね。

坂口 僕は最近絵本を買いました。よく行く本屋さんに絵本コーナーがあって、昔読んだなという本が何冊かあって、また読んでみようって。

 本屋さんってやっぱりいいよね。私もこの間神保町に行ったんだけど、すごく楽しかった。思いがけない出会いが本屋さんにはあると思う。

坂口 絵本ってちっちゃい頃は読んでたじゃないですか。誰しもが一度はその時代を通るけど、大きくなるにつれてちょっとずつ疎遠になって。でも、こうして大人になってから懐かしい絵本をもう1回買い直すことで、心が豊かになれる気がしました。だから、この1冊というわけではないんですけど、昔読んでた絵本をもう1回買ってみるというのは素敵なことなんじゃないかなと思います。

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<坂口さん着用分>靴/コンバース
<杏さん着用分>ブラウス¥39600/ルーム エイト(オットデザイン tel. 03-6804-9559) パンツ¥49500/エンフォルド(tel. 03-6730-9191) サンダル¥27500/カルチェグラム(デュプレックス tel. 03-5789-3109) イヤリング¥31900、リング¥24200/ラミエ(tel. 03-6303-4206)

 

坂口健太郎
1991年7月11日生まれ、東京都出身。2014年に俳優デビュー後、ドラマや映画に多数出演 。17年、『64-ロクヨン-前編/後編』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。18年に「シグナル 長期未解決事件捜査班」で連ドラ初主演。近年のおもな出演作に、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」、ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」、映画『余命10年』など。現在、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出演中。映画『ヘルドッグス』が9月16日公開予定。


1986年4月14日生まれ、東京都出身。2001年にモデルとしてデビューし、2007年からは女優としても活躍。近年のおもな出演作に、ドラマ「偽装不倫」、「日本沈没-希望のひと-」、映画『CUBE 一度入ったら、最後』など。著書に『杏のふむふむ』『杏の気分ほろほろ』『BOOK BAR お好みの本あります』(大倉眞一郎氏との共著)などがある。Youtubeチャンネル「杏/anne TOKYO」 も話題に。

 

<ドラマ紹介>
 『競争の番人』

刑事の白熊楓(杏)は事件の犯人を目前で取り逃したことを問題視され、公安取引委員会への異動を命じられてしまう。公正取引委員会・第六審査、通称“ダイロク”では小勝負勉(坂口健太郎)が白熊の教育係になるものの、普段から自由奔放に行動する小勝負は、右も左もわからない白熊にも、仕事を手取り足取り教えようなどという気は一切ない様子。そんななか、複数のホテルで行われているウエディング費用のカルテル問題を調査することになりーー。

出演:坂口健太郎、杏、小池栄子、大倉孝二、加藤清史郎/小日向文世/黒羽麻璃央、大西礼芳、石川萌香/寺島しのぶ 他
原作:新川帆立『競争の番人』(講談社)
毎週月曜、21時〜放送。7月11日(月)スタート(初回は30分拡大)。


撮影/塚田亮平
スタイリング/田中トモコ(HIKORA・坂口さん)、
井阪恵(dynamic・杏さん)
ヘアメイク/廣瀬瑠美(坂口さん)、
平元敬一(杏さん)
取材・文/横川良明
構成/山崎 恵
 

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