では、ヘア&メイクアップアーティストとしての「これから」は、どう考えているのでしょう。

「年齢的にも人生の砂時計はひっくり返っているから、残りの時間をどうエンジョイできるか、みたいなことになりますよね。
ヘアメイクとしては、これからも時代性のない作品にチャレンジしたいと思っています。野田秀樹さんの新作をまたやりたいし、歌舞伎もやりたいし、『にほんごであそぼ』は一生やっていたい。まだ出会ったことのない演出家さんたちと作品を立ち上げてみたい。
もの作りの現場にはずっと関わっていたいですし、ヘアメイクとしてやり残したことがないようにしたいです」

「あと、地球に生まれたからには、全世界の国に行ってみたい!」といたずらっぽく笑ってから、そして……と一呼吸おいて、美容についての思いも語ってくれました。

「若い頃と大きく違うのは、興味の対象が“等身大”や“アンチエイジング”から、“老い”とか“死”に変わってきたこと。どう老いていくか? って、個体差がすごく出るし、センスが問われるところじゃないですか。
世間には“若見え”とか“健康的に見えるには”という情報はあるけど、“いかに自分を素敵なおばあちゃんに持っていくか”っていう話題がないんですよね。
自分自身が経年の変化を感じているので、これからはいかに美しく歳を重ねていくかということを考えていきたいです。ニーズがあるかはわからないんですけどね」

ビジネス経験なしのヘアメイクが突然サロンの社長に...そのときどうする?【赤松絵利さんインタビュー】_img9
 

長年、様々な形で“かわいい”に向き合ってきた赤松さん。最後に「美しいと思う女性のあり方」について聞いてみました。

「自分で何かを選択したり、意思を持って行動している人って、素敵ですよね。
着ている洋服も、流行ってるとか何々っぽいとか、何かに乗っかってるんじゃなくて、自分の着たい服を着ている人。やっぱり、見た目じゃないんですよね。
その人らしく楽しんでいらっしゃる方とか、自分の頭で考えている方が美しいと思います」

 

取材・文/上田智子
撮影/木寺紀雄
構成/片岡千晶(編集部)
 

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