パリ在住のミモレブロガー大熊洋子さんが、ZARAで見つけたリトルブラックドレスを紹介します。
日本帰省時のお楽しみのひとつは、サルサの仲間達に会いに行く事。随分と長い付き合いなのに考えてみたら、彼らのフルネームも連絡先も知らない。約束せずとも週末にぶらりと此処に来れば皆んなに会える。そんな適当なスタンスが今の私には丁度いい。
このクラブは今年で創業23年。日本におけるラテンダンスの聖地とも言われる。オーナーも従業員もラティーノで構成されており、流れる音楽は手練れのDJによる最高のナンバーが約束されている。全てが南米のそれと遜色なく、ゲストも多国籍から成る老若男女。真のダイバーシティが此処にある。
美しくライトアップされた東京タワーをバックに、此処へ辿り着くまでの束の間のプロムナードは心が弾み、私の歩調はいつも自然と速くなる。
パリに戻る直前の最後の週末には、思いっきりお洒落をして踊りに行こう。そう決めた時にZARAで出会ったこのワンピースは、大人の夜遊びにピッタリなリトルブラックドレスだ。
デコルテを綺麗に見せてくれるベアトップは、ワイヤー入りのブラジャー仕様になっている。安心して潔くノーブラで。バックシャントップスのブラ紐問題に頭を悩ませなくても良いなんて、なんと優秀な!
ミディ丈のスカートはペンシルラインで、ボディにタイトに張り付くけれど、ストレッチが効いていて非常に動き易い。後ろの深いスリットも手伝って、サルサの激しいステップにもストレス無く対応してくれる。ポリエステル素材は手洗い可能でアイロン要らず。おまけにプチプラときたからには迷わず買って正解だった。
いつもはスポーティな出立ちで踊りに来る私は、顔見知りの女の子達に大層驚かれた。Hirokoさん、何かあったの!? 今夜はこの後デートでもあるの?
踊り疲れて一人外に出た。夜風に当たっていると、私が密かに憧れているプロダンサーと出会した。サルサ界では名の知れたコレオグラファーで、自分にも他人にも厳しい人だから敵も多いらしい。その不器用なストイックさに、私は妙な親近感を覚えている。
――随分と上達したね。努力の跡が垣間見えて、さっき君と踊った時、感動して涙が出そうになったんだ。それに今夜フロアに居た女性達の中で、君が一番素敵だと思った。
東京にも、こんなエレガントな遊び場があって、そこには粋な大人達が集まって来る。パリに負けないくらい、TOKYOの夜はカッコいい、と思った。
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