国の介護保険サービスを利用する要介護(要支援)認定者は、2022年5月末時点で691.4万人。65歳以上の5人に1人が認定を受けている計算になります。この介護保険を使う際に必ず必要になってくるのが「ケアプラン」と呼ばれる介護計画書で、介護に関わる人が集まって意識合わせをし、ケアマネージャーが作成します。ところが親が介護状態になってもケアプランの作成はケアマネージャーに任せっきりで、詳しいことまでは把握していないという方も多いのではないでしょうか。今回相談に訪れた美穂さんも、これまで親の介護計画についてはノータッチでしたが、友人の話をきっかけに疑問が生まれたと言います。話を聞いてみましょう。

 


任せっきりだった親のケアプラン


78歳になる私の母は現在要介護2で、一緒に住む父やヘルパーさんの助けを借りながら栃木の実家で暮らしています。母が最初に要介護認定を受けた時は要支援2で、そこまで介護度が高くなかったこともあって、ケアプランの作成は地域包括支援センターのケアマネージャーに頼りっぱなしでした。ケアプラン作成後の説明には同席したものの、「専門家が示すものだから素人の自分が何かできるわけでもない」と思っていたのです。

介護保険証の更新と介護度が変わった時にケアプランの変更をしたことはよく覚えていますが、それ以外は任せっきりで、印鑑を押すだけで内容には踏み込んでいません。そんな調子で特に問題なくここまで来ましたが、先日同じように親の介護をしている友人・ひとみの話をきっかけに、ふと疑問が生まれました。

ひとみは「母が最近膝が痛いと言い出して、自立歩行が危なくなってきたから、リハビリを増やしてもらえるようにケアプランの変更を頼んでみた」と言うのです。私はこれまでそんなことを考えたこともありませんでしたが、ケアプランの変更って家族側から依頼できるものなのでしょうか。

 
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