モデルとして、テレビ出演やラジオパーソナリティとしても活躍中の浜島直子さん、愛称“はまじ”。彼女がファッション、ビューティ、ライフスタイル、さまざまなジャンルで新しい自分を発見していく連載です。

先月に46歳になったモデルはまじ。50代も少しずつ見えてきて、あと2年でモデルとしても30周年を迎えます。仕事もプライベートも少しずつ変化する中で、ふと思い出した言葉があると言います。

 

関連記事
「主役は自分じゃない」「今のままでいい」46歳になったモデルはまじの”健やかに幸せ”に生きる方法>>

言葉はときに傷つけてしまうこともある。でも励ますこともできる。だったら私は後者を選びたい【はまじ流モヤモヤ解消法】>>


高校生のときに聞いて衝撃を受けた「仕事が趣味」という言葉

たしか私が高校生のときのこと。フリーアナウンサーの故・逸見政孝さんがご自身の病気に関する会見を開いたのを見ていたんです。その中で「仕事が趣味」というようなことをおっしゃっていて、すごく衝撃を受けました。そもそもその会見自体、真摯に病気と向き合う逸見さんのお姿に胸が熱くなっていたのですが、まだ高校生で働いたことのなかった私にとって、「仕事が趣味って、どういうことだろう」ととても心に残ったのです。私が感じ取ったニュアンスとしては、仕事が大好きでいつも考えていて、現場に行くのが楽しみで、いつも誠心誠意臨んでいる、という感じ。当時はまだ将来自分がどんな仕事に就くかもわからず、働くことが具体的に想像できなかった私にとって、本当に印象的な言葉でした。

その後、モデルになり、テレビにも出るようになり、20代は休みなく働いていました。決して売れっ子だったわけではなく、ただ単に断ったら次はないかもしれないと思うと怖くて。それで入れられるだけ仕事を入れて頑張っていたら、さらに仕事がどんどん面白くなって……。結婚しても変わらず働き続け、30代後半で息子を出産したあたりから少しずつ仕事じゃない自分の時間が増えていきました。

セーター¥31900、スカート¥36300/アンフィル 靴¥77000/パラブーツ(パラブーツ青山店) その他/スタイリスト私物

仕事を始めてからも、ときどき逸見さんの「仕事が趣味」という言葉をふと思い出していました。20代のときは、ただ不安だというだけで休みを自分から入れられないことを「私は仕事が趣味なんだ」と自分に言い聞かせていたし、30代前半は「私も同じように言ってもいいくらい頑張ってるんじゃない!?」と自分を励ますかのようにその言葉を思い出し、おこがましいことに逸見さんの心境がわかるつもりになっていました。

そして30代後半から40代にかけて、急に自分の時間ができたら、前々回にもお話した通り、情熱を傾けたい趣味がないと気づいたんです。私ってもしかして空っぽの人間だったのかな。ただ単にプライベートの趣味がないから「仕事が趣味」だと錯覚していたのかもしれない……!

 
  • 1
  • 2