格差社会、いじめ、HSP……現代ならではの問題をところどころに散りばめたストーリー

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『若草物語』も“貧しさの中で仲睦まじく暮らす姉妹たち”という設定は同じですが、『シスターズ』では、「貧困」により焦点を当てて描写をしていきます。

 

『シスターズ』で描かれたインジュたちの貧しい暮らしぶりを見て、大ヒット映画『パラサイト 半地下の家族』に出てくる一家を思い出した人も多いのではないでしょうか。『イカゲーム』然り、韓国の格差社会を問題視したコンテンツが軒並みヒットしていますよね。

現代の韓国において、若者世代は貧困を恐れ、将来を悲観していると言われています。『シスターズ』ドラマ公式サイトの企画意図にも、「若者たちが主人公の話を書きたかった。若者たちが聞きたいのは、お金についての話ではないだろうか。韓国社会の至る所にお金に関する話があふれている。」という内容が書かれています。

「貧しい姉妹が700億ウォンを突然手にいれる」という設定は、若者たちに「貧しい人々が大金を手に入れられれば、幸せになれるのか?」と問いかけているように感じました。

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その他にも、「現代韓国」の問題提起が多数加えられているのが見どころです。

毒親の存在、会社でのいじめ、HSPの気質(ハイリーセンシティブパーソンの略で、感受性が非常に強く繊細で敏感な人)など、150年前の『若草物語』の世界では決して語られないであろう話ばかり。それが非常に面白いです。

ちなみに、おそらく誰もが抱く「若草物語というわりに、4姉妹じゃなくて3姉妹なのは何故? ベスはどこ行った!?」という疑問。ストーリーの途中で、なぜ3姉妹なのかその秘密が明かされるのですが、ゾッとするような真実が隠されていましたね。こうしたミステリー要素の強さも作品の魅力です。

『若草物語』の原作は、4姉妹たちがそれぞれ抱える問題点を克服し、成長していくストーリーだと言われています。『シスターズ』はどうでしょうか?

ドラマを見ながら常に私の頭にチラついていたのが「宝くじが高額当選した人は不幸になるっていう都市伝説があるけど、あれってどうなんだろう……」という疑問。実際三姉妹を見ていても、大金を手に入れたことで事件に巻き込まれ、命の危険にさらされ、決して順調には見えませんでした。

貧しさというコンプレックスから抜け出せない長女、HSPを抱える次女、姉たちからの愛情に重圧を感じる三女。三人がどのように悩みを克服し、成長を遂げるのか……?

その答え探しをしながら、『シスターズ』を楽しんでくださいね。

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突然70億円を手に入れた貧困姉妹たちの物語
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構成/山本理沙
 

 


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