歯周病になると、脳にゴミが溜まる
歯周病を引き起こす歯周病菌が、アルツハイマー型認知症の原因となることがわかっています。
歯周病菌が出す毒素によって歯肉などに炎症が起きると、血液中に炎症物質「サイトカイン」が流れ込みます。このサイトカインが血液によって脳に流れ込むと、「アミロイドβ」というタンパク質が脳の中で増えるのですが、これが「脳のゴミ」と呼ばれるものです。
アミロイドβは、脳内で記憶を司る「海馬」を中心に少しずつ溜まっていきます。
溜まったゴミに圧迫されて、徐々に脳細胞が死滅。どんどん記憶力が低下していきます。これがアルツハイマー型認知症の発生・悪化メカニズムだと考えられています。つまり、歯周病になると、脳にゴミが溜まって、アルツハイマー型認知症の発症・悪化リスクが高まるのです。
悪化リスクがどれくらい高まるのかを調べた研究があります。名古屋市立大大学院の道川誠教授らが行ったマウスを使った実験によると、アルツハイマー病のマウスと、アルツハイマー病でさらに歯周病菌に感染させたマウスを比べた結果、約4か月後には、歯周病菌に感染させたマウスの海馬に沈着した脳のゴミ・アミロイドβ蛋白は、なんと面積で約2.5倍、量で約1.5倍に増えていたそうです。
日本人の歯周病有病率と歯みがきの頻度
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