ファッションエディターの発田美穂さんが、大人世代におすすめしたいアイテムやコーディネート術、テクニックをご紹介します。


前回に引き続き、今回も1年半前から始めた習い事「ボイトレ(ボイストレーニング)」について、です!

“なんとなく自分の声が好きではない”という思いを、コンプレックスってほどではないにせよ、ずっと持っていました。誰かに「発田さんの声って聞き取りにくいよね」とか、言われたわけではないんです。ただただ、自分の気持ち。ぼんやりと、でも結構長いこと「もっと落ち着いた声が出せたらなあ」、「ハリのある、通る声になりたいなあ」と思っていました。そんな時に、さまざまな偶然が重なって通い始めたボイトレ。

で! 大体「ボイトレ」って何をするの? って、気になりますよね。

私がレッスンしていただいている、ウィングスミュージックスクールのミニー・P先生が提唱されているメソッドのひとつが「アンチエイジング・ボイトレ」というもの。生徒それぞれの目的や目標、通う理由に応じて、合うやり方でボイトレをしてくださいます。ただ上手く歌えるようになりましょう、ということだけではなく、人前で話すことのスキルアップが目的だったり、私のようになんとなく声が気になっているという人も通っていたり。

いわゆるザ・ボイトレという感じの「あーあーあーあーあああああああー、ジャーン(ピアノの音)、あーあーあーあーあああああああー、ジャーン(ピアノの音)」みたいな発声練習もします。体の無駄な力を抜くために、足踏みしながら発声してみたり。本当にさまざまなメソッドを使い、声の出し方をあの手この手で教えてくださいます。

課題曲を通じてさまざまなテクニックを練習したり、あるいは何か実践的なお題を設けて、話す練習をしたりすることも。

で、ですね。私がボイトレのどこに夢中になっているのかというと、運動と同じように練習すれば、(たとえものすごくスローペースだとしても!)体がきちんと応えてくれること。そしてボイトレを通じて、年齢の重ね方や仕事への向き合い方などを学べること、なのです!

話が大きくなってきましたよ(笑)。でも毎回レッスンのたびに、そう感じるのです。

まずは、単純に上達する喜びです。これはもう筋トレと一緒で、今まで出せなかった高音が無理なく出せるようになる。低音が安定する。必死に歌わないと出なかったパートが、余裕を持って歌えるようになる。そういった、少しずつ技術を習得することで、体が応えてくれる喜びです。ある程度年齢を重ねてきた今だからこそ、このフィジカルの成長はとてもうれしい。

そしてもう一つ。ボイトレを通じて得る学び。

例えば、歌詞の発声。自分では相当はっきり歌っているつもりでも、いざ録音を聞いてみると、歌詞が流れて聞こえたりする。意識的にもう少し母音をはっきり発声したほうが、人が聞いたときに歌詞がしっかり耳に入ってきて心地良いわけです。

あるいはリズム。自分では特に問題なく歌っているつもりでも、実際は思っているよりもほんの少しだけ早く、かぶせ気味のタイミングで歌ったほうがリズムの精度が上がったりするわけです。

これって、歌だけに限ったことじゃないな、とつくづく思うのです。

というのも、年齢を重ねると、“自分の感覚と出力のズレ”みたいなことが増えてきませんか? 例えば人に何かを伝えるときの声のトーンが、自分が思っているよりもキツくなっていることってきっとある。

あるいは運動能力的なところでいうと、何もない平地でつまづいたり! おっとっと、ってなってから、振り返って地面を確認しますけど、そこには何もない。びっくりしますよね(笑)。自分が思っているよりもまったく足が上がらずに歩いているわけです。こわいこわい。

そんな“自分の感覚と出力のズレ”、ボイトレを通じてものすごく気づかされます。

さ、ら、に。練習成果の発表の場として、ライブがあるのです!! (出るか出ないかは自由です!) 私はもちろん昭和な選曲。最初に選んだ曲は中森明菜ちゃんの『北ウイング』。ここでも明菜愛を貫いてみました。

って話が逸れましたけど、そこに出演されている職業も年齢も実にさまざまな方たちの、ライブに臨まれる様子を見ても、これまた学ぶことばかりなのです。私より年齢が上の方も多くいらっしゃるのですが、きちんと真面目に一生懸命、そしてとても楽しそうにライブに出演されている様子は本当に励みになる。「歌詞忘れそう!」「緊張してきた!」などと言い合い、お互いのステージを応援し合う雰囲気は、部活のようでとても楽しく!

と、そんなこんなで。歌ってストレス発散にもなり、昭和カラオケ欲も満たされ、精神鍛錬でもあり、肉体的成長もあり、学びもあり、といった感じのボイトレ。レッスンを受けるたびに、毎回何か気づきや驚き、喜びがあるので、本当に楽しく通っています。長く続けられる趣味を見つけられてよかった!

さてさて。前後編に分けても、やっぱり長くなりました。ここらでコーデも!

40代で「ボイトレ」を始めてよかったこと。「年齢の重ね方」「これからの自分」を考えるきっかけになっています_img0
 
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私的スーパー名品パンツ! ロクのジョーゼットタックパンツです。これ、究極の褒められパンツで、何度ブランド名を聞かれたことか! シーズンごとの新色がプラスされつつ、ずっと展開のある定番です。さらさらとしたジョーゼット素材で、オールシーズンはけるので重宝。

 

あとはサイズ展開! パンツはウエストも裾もお直ししなくてはならないことが多いのですが、これはXXS(32サイズ)からあるのが素晴らしい! ひとまず32を選べばウエストはジャストなので、丈だけ詰めればOK。特にウエストのお直し代ってバカになりませんから、これも私にとってはうれしいポイントなのです〜。

エディター発田美穂さんの私服コーデをまとめてチェック!
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構成/幸山梨奈
 

40代で「ボイトレ」を始めてよかったこと。「年齢の重ね方」「これからの自分」を考えるきっかけになっています_img3
 


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