グルテンの体への影響、研究結果を解説


山田:はい。あくまで相関関係ではあるのですが、「グルテンが含まれた食材を摂取した人たちの方が、健康リスクが低い」という研究が複数あります。ですので、メディアが広めたイメージは、実際とは逆なのですよね。

そもそもグルテンフリーは、「セリアック病」という、グルテンに対する免疫反応が腸の中で起こってしまう病気の方のための食事法なのです。
セリアック病の方は、グルテンをとるとアレルギーのような症状が出たり、ひどい下痢をしてしまうこともあり、この方々にとっては、グルテンフリーはとても重要なのです。ですからグルテンフリーの食材・食事法は、必ずどこにでもあります。ですが同時に、日本では、セリアック病の方は非常に少ないということが知られています。私は日本で10年以上医師として勤務しましたが、セリアック病の方にお会いしたことは、全くありませんでした。

 

編集:なんとなくのイメージで、グルテンフリー食材の方が健康や美容によいと思っていましたが、セリアック病でなければ、あまり気にする必要がないのですね。

山田:食品というのは、そもそも因果関係の証明が難しいのです。「グルテンを摂取したから肥満になる」ということを証明するのは難しいのですが、実際には「グルテンフリーダイエットをする人ほど肥満が多い傾向がある」という関連性は知られています。

編集:私たちが持っていたイメージとは、全く違いますね。なぜここまでブームになったのでしょう。