年を重ねるといいこともあるし、残念なこともある。でも受け入れるというのは大事


――大人として、人としての“色気”も演じられているように感じました。

豊川:ものの見方が他の方と少し違うような人というのは、魅力的だなと思いますね。色気を表現する言葉は、“魅力”をはじめ色々ありますが、結局は、気になるとか、どうしても目が行ってしまうとか、その人のことが知りたくなるみたいなところだと思います。それを、なんと表現するのかは置いておいて、僕はクセがある人であったり、しっかりと自己主張をする人であったり、そういうちょっと違う人には惹かれてしまうところはありますね。

 

――年齢を重ねたからこそ滲み出るような色気があるように思いましたが、年齢を重ねることに対して、ポジティブにとらえていますか?

豊川:両方の側面があると思います。いいこともあるし、残念なこともある。いいことが多いのが望ましいけど、100%もろ手を上げて早く歳を取りたいと思っているわけでもない。ただ、受け入れるというのは大事。歳を重ねることとケンカをしないというか。これって年齢の話だけではないと思っていて。僕はインタビューを受けた時によく「必ず今の自分を大切に、今の自分を愛してあげてください」と話すのですが、それに尽きると思っています。解決しない問題は解決しないし、手に入らないものは入らない。だから、自分を追い詰めないで欲しいし、今の自分に優しくできるのは自分しかない。だから、自分を大切にしてあげてほしいですね。

 

インタビュー前編【豊川悦司】医者と殺し屋“二つの顔“を持つ男を演じて思うこと「人間味があるということを、とても気をつけていた」>>
 

<映画紹介>
『仕掛人・藤枝梅安』
2月3日公開
『仕掛人・藤枝梅安2』
4月7日公開

 

原作:池波正太郎『仕掛人・藤枝梅安』(講談社文庫刊)
豊川悦司 片岡愛之助 菅野美穂 小野了 高畑淳子 小林薫
第一作ゲスト:早乙女太一 柳葉敏郎 天海祐希
第二作ゲスト:一ノ瀬颯 椎名桔平 佐藤浩市
監督:河毛俊作 脚本:大森寿美男 音楽:川井憲次
©️「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社


撮影/岡田健
取材・文/楢崎裕美
構成/坂口彩
 

 

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