「能力や立場が低いから言えない……」という遠慮は不要

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さまざまな企業の人と話をしていると

「わたしなんかが意見や改善方法を提案するのは、おこがましいのではないか」
「わたしがこんなことを言うのは、失礼なのではないか」
    
といった発言をする人が、とても多いように感じます。

 

これは、男性にも女性にも言えることで、比較的、上下関係のピラミッド構造が明確な組織に属している人たちほど顕著です。日本では、まだまだ序列がはっきりある組織も多いため、意見を言っても通らないのではないかと感じてしまうのかもしれません。これは、まだ役職に就いていない若手の層だけではなく、中間管理職の人がトップマネジメント層に対して感じていることとしても当てはまるようです。本来、発言してもいい場であっても

「自分のほうが、立場が下で、キャリアが短いから」
「相手に比べて、この技術やこのスキルがまだ足りないから」

という事実を意識しすぎている人は、少なくありません。

「まわりの人と比べて、自分は能力が低い」

という思いを抱いているがゆえに、コミュニケーションがうまく機能していないというケースは、組織の大小を問わず多々あります。実際に、組織にはさまざまな人が集まってくるわけですから、能力の差やスキルの差、経験値の差があることは事実です。

「立場が低い人、スキルがない人は何も意見を言ってはいけない」

という考えは、自分が心のなかで決めつけてしまっている思い込みかもしれません。もしそういった思いが浮かんでくるときには、

「これは自分自身の思い込みなのかもしれない。『言ってはいけない』というのは事実ではない。言ってみると、もしかしたら、聞いてもらえる可能性もあるのでは?」

と自身に問いかけてみてはいかがでしょう。