パラダイムシフトの今、「美の価値観」を刷新し続けてきた美容ジャーナリスト齋藤 薫さんが、注目したいある視点をピックアップします。


ファッション遍歴にあぶり出される上昇志向

写真:Shutterstock/アフロ、AP/アフロ

誰だって、若い頃には封印したいNGファッションを数々残してきているもの。だからそれを面白がろうという話では全くなく……。
でも、ファッションは人生。服は価値観。だから振り返ることによってその人が一体その時何を考えていたのか、読み取ることができるわけで、それだけにどうしても無視できないのが、メーガン妃のファッション遍歴なのです。

 


高校生時代のメーガン妃。人気歌手、キャサリン・マクフィー・フォスターが自身のInstagramにポストした、メーガン妃との2ショット。「Meghan and I did musicals together as kids.」とのこと。当時2人はロサンゼルスのハイスクールに通い、一緒に演劇をしていたそう。

高校生の時の“やらかしメイク”はご愛嬌としても、何かそこにはもう自分を前に押し出そうとする力の強さがあぶりだされているよう。さらにその後のファッション遍歴は、良くも悪くも上昇志向の表れに見えてならないから。

2012年、カナダトロントのシャングリラホテルにて。写真:AP/アフロ
2013年、映画のプレミアムイベントに出席。写真:Shutterstock/アフロ

上昇志向……日本の社会ではあまり良い意味では使われないこの言葉。もっぱら“地位や評価を常に高めようとすること“を指し、ともかく上へ上へ、より高いところに上がっていくことに夢中な野心家のイメージが定着してしまっています。

 

それも日本語には一方に、「向上心」というステキな言葉があり、自らの才能やスキルを磨き高めることはこの言葉で表現され、「上昇志向」とはざっくりでも使い分けられているからなのです。

次ページ▶︎ 上昇志向が、目に見えると損をする

【写真】なぜ2人は王室を離脱したのか? メーガン妃のファッションに答えあり!
▼右にスワイプしてください▼