Netflixのドキュメンタリー作品『ハリー&メーガン』、12月15日に配信された後編3話を鑑賞しました。
配信後、さっそく世の中にはこの作品を通じて様々なレビュー記事が出回っており、英国王室に対する関心の高さを物語っているよう。そして今のところ欧米のマスコミの論調は、ロイヤルファミリーとしての義務を果たさず王室批判するふたりを非難する、辛辣な意見が多いように見えます。
擁護派は「家族を守るために王室を離脱したハリー王子は勇敢だ」と称え、批判派は「ふたりはナルシストで、注目とお金のために王室批判をしている」と叩く。でも私はそのどちらにも違和感を感じるのです。
率直に言って、この作品はドキュメンタリーと呼ぶには情報が薄く、取材もほぼハリー王子とメーガン妃サイドの人物のみへのもの。かなり一方的で都合のいい主観的意見だけで編集されているため、どちらかといえばリアリティ番組のような雰囲気です。
王室というデリケートな題材を扱っているため、本当はふたりが王室離脱やメーガン妃に対する人種差別についてもっと赤裸々に語ったのに編集でカットされてしまった、という可能性もなくはないと思いますが。ドキュメンタリー制作でいちばん重要な、当事者による胸を打つ真実の告白というものに、欠けていたような気がするのです。
実際にはメーガン妃が長男出産後に第二子を流産していたことや、パパラッチたちに追い回され、王室での孤立した生活に悩み、自殺を考えたことを打ち明けているのですが……。
それはなぜかと考えてみたのですが、恐らく、ハリー&メーガンが好感度を気にし過ぎていて、自分たちを美化するコメントと映像ばかりを集めてしまったからではないのかなあと。
メーガン妃の流産や王室関係者からの人種差別などは今までも報道されており、今回はそれについてもっと本人たちがつっこんで話すのかと思いきや、結局今までのふたりの出会いから王室離脱を決意するまでをなぞるだけのダイジェスト以上の内容ではなかった。6時間にも亘る長編作にも関わらず、いちばん知りたかったふたりの本音が深掘りできていないので、視聴者が共感できる部分が少なかったのではないでしょうか。今回ちょっと辛口ですね、すみません!
でもこの番組を観て思ったのは、ハリー王子とメーガン妃って実はとても不器用で、自己プロデュースや自己アピールが下手くそなんじゃないかな、ということだったんです。
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