世界仕様であると同時にローカル。わたしたちと世界を結ぶ存在に


もうひとつのキーワードは、「多様性」。
&TEAMという言葉には、「年齢もバックグラウンドも異なるけれど、個性を持った9人が集まって多様な世界を結びつける存在になる」(FUMA)という意味が込められています。そう、メンバーは話す言語もさまざま。メディアからの質問タイムでは、NICOLASが英語で、EJが韓国語で答えるなど、ほぼ全員がバイリンガル以上、なかには3ヵ国語以上を話せるメンバー(NICOLAS、MAKI)もいます。

ⓒHYBE LABELS JAPAN

そんな彼らを象徴するさらなるキーワードは、「世界仕様」であることです。
たとえば、メンバーの名前はすべて英字表記。また、この日のデビューステージは、YouTubeで世界に配信されていました。(しかも、英語に同時翻訳された字幕付き!)。ライブの終盤にチェックしたところ、YouTubeの同時視聴者数は3.7万と、さいたまアリーナを埋める人数がアクセス。&TEAMのTwitterには、ペルー、トルコ、フランス、エジプトなどのファンからコメントが届いていました。

 

デビューからほどなくしてすでにワールドスターへの道を歩く一方、&TEAMは日本のファンにとってはごく身近でローカルな存在です。

 

ライブ会場で会った愛知から来た中学生の女の子とお母さんは、&TEAMを応援する理由をこう教えてくれました。
「『I-LAND』の時から応援しています。『I-LAND』では残念な結果になってしまいましたが、&TEAMのメンバーになって、むしろうれしい。海外のコンサートはハードルが高いけど、日本がベースの&TEAMなら会いに行けるから」(娘)
「BTSのファンARMYですが、大スターになった彼らははるか遠い存在。&TEAMはきっと近くの街にも来てくれるはず。すべて日本語なのもいいですね」(母)

 

ライブの最後には、サプライズでトロッコで会場をぐるりと回りながら、「また会いましょう、すぐに!」と日本語、英語、韓国語で叫んだ&TEAMのメンバーたち。

彼らを見ながら、原点となったオーディション番組「&AUDITON」の冒頭でHYBEのパン・シヒョク議長が語っていた言葉を思い出しました。

「&AUDITONの&は「人と人」「人と世界」の間を強く結ぶという意味が込められている。少年たちの夢に向かう真剣な努力と成長過程を見守ることで、皆さんと少年たちが&で結ばれることを願っています」 

もっと世界の遠い所へ、そしてもっと日本のファンの近くへ。&TEAMは、人々の心をつなぎながら2023年のミュージックシーンに大きな旋風を巻き起こしそうな予感です。


取材・文・撮影(会場レポ分)/桑畑優香
構成/坂口彩
 

 

 

関連記事
【BTS大邱聖地巡礼レポ前編】 Vが愛するシンボルツリー、世界中からARMYが訪れる母校の壁画も!>>