介護にはお金がかかる──。これはよく言われることですが、じゃあ一体何にお金がかかるの? と思う人も多いのではないでしょうか。今回の相談者・美恵子さんは、70代半ばの両親を持つ会社員。親御さんはまだまだ元気で介護のイメージが湧かないそうですが、勤め先で行われたセミナーを機に介護費用について考えるようになりました。話を聞いてみましょう。
・老人ホームの入居一時金がネックに
・介護費用の平均は600万円?
・「いくらかけられるのか」で考えたい介護のお金
・あらかじめ子どもができること
・在宅介護は月7~10万円
・特別養護老人ホームは月10~20万円
・介護付き有料老人ホームは月15~30万円
介護の場所で変わる介護費用
先日、会社で介護セミナーというものがありました。講師の方が来て、介護にかかるお金について説明してくださったんです。配布された資料には、以下のような金額が書かれていました。
どこで介護をするにせよ、最低でも月に10万ぐらいはかかるということが分かりましたが、結局何にいくらかかるのかがピンと来ません。一緒に参加した同期も親はまだまだ元気だそうで、セミナー後に2人して実感がないという話になりました。すると先輩がやってきて、切実な話をされました。
「この間父親が倒れてね、それはもう大変だったのよ。70代になったばかりで持病もない人だったから、まさかこんなことになるなんて。これまで介護費用のことなんて話したことがなくて、いざ蓋を開けたらすっからかんの状態で。仕方なく子どもの教育資金を切り崩して対応したけど、これからどんどんお金が出ていくと思うと恐怖でしかないわ。旦那にも言いづらい話だし、ストレスでため息しか出ないの……」
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