4. 恋愛詐欺、受験詐欺、オンラインサロン詐欺……騙されたままのほうが幸せ?
『嘘つきジェンガ』辻村深月

人間の深層心理をえぐる描写に背筋がゾクゾクする作家・辻村深月さんが、コロナ禍で選んだテーマが「オンラインサロン詐欺」っていうだけでもうゾクゾクします。

 

いわゆる“なりすましもの”なんですね。カリスマ漫画原作者の谷嵜レオになりすまして、ファン向けの創作オンラインサロンをやっている主人公・紡。いや、バレるだろうって思うけど、いや、意外とバレないものかもね、と思えてきます。やってることは犯罪だけど、でもその才能(ファンを喜ばすリップサービスやサロン運営のノウハウ)は、もっと他のことに活かせばいいのにと余計なお世話なことを考えてしまいました。