日本と海外、どちらの教育が優れているか

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かといって、海外に留学させたことに100%満足しているかと言ったら、そうではありません。
たとえば、算数。今はまだ英語力が不足しているために、問題文が理解できず、問題が解けない……ということはありますが、それが日本語ならば、そんなに難しい内容ではありません。
今、私が住んでいるカナダの場合、高校生最後の2年間は勉強内容がかなり難しくなるけれど、それまでは、かなりのんびりしたスピードで授業が進み、同じ年齢でも、日本より簡単な問題をやっていることに悩んでいる留学生のご家庭もたくさんあります。

 

私は勉強でいい点数を取ることの優先度が高くないため、「今はこれでいいか」と思っていますが、日本と同じ進度で、同じように学ぶことをキープさせていたいと思っていたら、家庭学習でフォローしたり、家庭教師などのサポートをつける必要があるのです。

早いうちに英語を習得させるために留学をさせるが、数年後に日本に帰国すると決めている場合などは特に、日本の高校入試、大学入試を視野に入れた勉強が海外でも求められるでしょう。

勉強で優れた成績を取ることが最優先なら、もしかすると海外には来ずに、日本で中学受験をするほうがいいかもしれないし、小学生のような早いタイミングではなく、高校や大学などの後のタイミングで留学するのがいいかもしれない。

もちろん、違う側面では、日本より海外のほうが優れていることもありますので、どんな決断をするのにも、やはり繰り返しになりますが、「子供の性格、得意なこと、自分が子供にどんなふうに育って欲しいか」を明確にし、子供が幸せな方向へ導くことが大事。これが今の結論です。

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構成・文/高橋香奈子

 

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