2022年8月から小学生の息子と一緒にカナダのバンクーバー地域へしばらく移住をすることにしたファッションエディターが発信。母子留学を考え始めたきっかけから出発当日までの準備、渡航後は現地の学校や暮らしをリポートする連載です。2023年最初の記事は、海外に越してきてから約5ヵ月経った今、感じている「こんなはずじゃなかった!」をまとめました。

 

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「こんなはずじゃなかった!」No. 1は、寒さと大雪!

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バンクーバーにしては記録的な大雪となった12月某日。降り始めた日の早朝の写真です。まだ除雪前で、道路か歩道か分からないほどに雪が積もっていました。

日本からカナダに移住してきて、いちばん「こんなはずじゃなかった!」と感じているのは、冬の気候のことです。想像していた以上に寒い! そして、こんなに雪が降るなんて聞いてない! 

移住先としてバンクーバー地域を選んだ大きな理由のひとつに、カナダの中では気温が下がりすぎない、雪があまり積もらないという気候面のポイントがありました。なのに、先日の寒波で気温はマイナス10度以下、車のスリップ事故が起こるほどの大雪! 路線バスも自宅前の大通りで立ち往生していました。日本やカナダで豪雪地帯に住んでいる方にとっては、まだこれくらいは甘い! と思われるかもしれませんが、東京以北に住んだことがない私にとっては初めての体験。

ですがその日、私は休暇のため飛行機の予約をしていたので、Uber(ウーバー)で空港まで行かねばなりませんでした。アプリで予約しても、何台もの車にキャンセルされてしまい一向に自宅から出発できない状況が続き、もう飛行機に乗り遅れるかもとドキドキ……。どうにかギリギリでタフなドライバーさんと出会え、空港まで送ってもらえるも、雪道で車が滑る滑る。到着するまで生きた心地がしませんでした(そのドライバーさんには大変感謝しています! チップも奮発!)。

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バンクーバー空港の様子。
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空港についてからも雪は降り続き、飛行機の出発時間が何時間も遅れたうえ、離陸するまで飛行機の中に3時間座りっぱなし(離陸の順番待ちのため)。目的地に到着したのは、予定よりも約6時間後でした。この日以降も遅延が続いたり、便がキャンセルになったりという話も聞いたので、雪の影響は本当に凄まじい!

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バンクーバー空港の手荷物受け取り所の様子。

さらにびっくりしたのは休暇を終えて、またバンクーバー空港に戻ってきたときです。ほぼ最終便で空港にはひと気がないにも関わらず、手荷物受取所に無数のスーツケースが置かれていました。係員の方に聞けば、雪で飛行機の遅延やキャンセルが起こったことにより、持ち主のところにまだ戻っていない荷物(ロストバゲージ)だそう。大雪からしばらく日にちが経っていたので、ここまで引きずってしまうものなんですね。

真実のほどは分かりませんが、「本来、あまり大雪が降ることがないバンクーバーだから、“雪慣れ”していなくて、このように大雪が降ったときに大変なことになる」と耳にしたことがあります。豪雪地帯なら、雪の対応に慣れていて、ちょっとやそっとの雪ではびくともしないのか分かりませんが……とにかく、寒いのが苦手な私にとってもは、この寒さと大雪には本当に参り、大声で「こんなの聞いてないよ!」と叫びたくなったほどです。
 

「こんなはずじゃなかった!」まではいかないが、秋以降は毎日雨のバンクーバー

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iPhoneの「天気」アプリのスクリーンショットを掲載。

また天気の話ですが、バンクーバーは“レインクーバー”と呼ばれるほど、よく雨が降る地域と言われています。これは渡航前から知っていたので「こんなはずじゃなかった!」とはなりませんでしたが、それにしても、想像以上に雨です(笑)。

秋以降の天気予報ではほぼ雨マークしか見ていません。1日中土砂降りになるわけではなく、雨がパラつくだけの日も多くはありますが、ほんの少しの晴れ間がのぞいただけでも、太陽が「尊い!」と感じるほど、空は毎日どんよりと曇っています……。自称“ビーチリゾート好き”の私にとっては、この天気問題は想像以上のダメージ!

ある程度事前のリサーチで知っていたので、「こんなはずじゃなかった」とはなりませんでしたが、何も知らないで行くとダメージを受けてしまうことはほかにもあります。たとえば、物価が日本より高く、何を買うのも高い。普通のスーパーでさえ、すべてが日本の高級スーパー並みの価格。日本の100円ショップのように優れた製品が100円で買える夢のようなお店もありません。熱で1週間寝込んでしまったときも、“ファミリードクター”と呼ばれるかかりつけ医がいない新参者の私は、自宅で寝込んでいることしかできませんでした。

これからカナダに引き続き住んでいるうちに、新たな「こんなはずじゃなかった!」も出てくるでしょう。ですが、今のところカナダに引っ越してきたことに関しては、まったく後悔していません。
 

心穏やかに暮らせる、のんびりとしたカナダが好き

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自宅の近くから、広大な景色が臨めるのも好きな理由。

カナダの人たちも、カナダに移民してきた人たちも、私のようにカナダへ親子留学で来た人たちも、出会う人たちがみんな優しい。困っていたらすぐ手を差し伸べてくれます。ご年配の方やベビーカーを押した人が電車やバスに乗ってくると、すぐに席を譲るのもよく見る風景。新参者の私たちも当たり前のように受け入れてくれます。なんだか温かい世界。

これは私だけかもしれませんが、カナダに来てから「太っている体型」に対して何かを言われることも無くなったので、とても生きやすい。

時間に追われて、あくせくしていないのもいい。東京では電車が1分遅れただけでもイライラしていたのに、こちらでは「まぁ仕方ない」と思える(日本では遅れないのが当然と思えるくらい整っているのが凄いことではある!)。

そんなわけで2023年もマイペースで海外移住生活を送っていきたいと思います。
 

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構成・文/高橋香奈子

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