嫁姑問題はいつの時代も、女性たちの中では永遠のテーマ。昔よりは嫁姑の確執が少なくなってきた気もしますが、お姑さんの言動にひっそり悩み苦しむ女性もきっとまだまだいるはず。そんな女性たちに向けて描かれた『義母クエスト ~結婚したらいきなりラスボス戦でした~』は、50代の女性が義母との「伝説の戦い」を振り返った作品で、1月27日に発売されました。
二人の息子を育て上げ、現在は穏やかな生活をしているかづさんはある日思い立ちます。
時は遡り、夫と出会う前の看護学校で勉強していた時代のかづさん。しっかり者でみんなに頼られ充実した毎日を過ごしていた彼女。すごく痛そうな開放骨折をしている患者・結城さんの担当になりますが、彼にロックオンされたようで⋯⋯。
ある日、結城さんと付き合っているという事実無根なウワサを流されたかづさん。私は彼の開放骨折にしか興味ないのに、誰がこんなデマを流したの!? ⋯⋯おそらく結城さん自身なのです。彼の作戦にうまくハマりちょっと強引に口説かれて、あっさり陥落した若き日のかづさん。当時、19歳で看護学生のかづさんは、30歳で社会人の結城さんと真剣なお付き合いのつもりはなかったのですが、あれよあれよという間に結婚前提の彼氏に。でも、結城さんのお母さんが二人の結婚に反対しているのだと聞かされます。
「結婚するなら縁を切る!」と啖呵を切られて、激怒するかづさんの父親でしたが、障害があるほど燃え上がるのが恋ってもの。かづさんと結城さんはそれぞれの両親に反対されながらも、無理矢理できちゃった結婚を成立させてしまったのでした。その時、かづさんは20歳。ここからはじまった義母との戦いの一部を紹介します。
義母クエスト ステージ1「寿司格差」
結婚を反対されていた頃、「今から僕の実家に行こう」といきなり夫に言われ、向かうと夫にはニコニコ顔の義母。でもかづさんには塩対応。そんな義母が頼んだお寿司を見るとなにかおかしい。
一つだけ巻き物ばかりで、高いネタが入ってないものが。誰の分なのか、もうわかりますよね。
義母クエスト ステージ2「電話で食費チェック」
新婚旅行から帰ると、義母から毎日電話がかかってくるようになりました。出ないと電話局に問い合わせをされます。そして聞かれるのは食費の細かーい内訳。
冷蔵庫の中身も洗いざらい申告しないといけない恐ろしさ。義母はかづさん夫婦の生活費を記録していたのです。
義母クエスト ステージ3「出産前に謝罪文要求」
出産間近に義母からの電話がかかってきました。出ると、かづさんや生まれてくる子どもの心配ではなく、息子のことだけを心配し、ありえない要求をしてくるのでした。
生まれてくる子のために精神の安定を優先して「わかりました」としかたなく答えると「何その不服そうな声!」と追い打ちが。なんて恐ろしいのでしょう⋯⋯。
酷すぎる義母の言動にも怒りを覚えますが、基本的に義母の言いなりで、夫婦で生活している時にはケチでかづさんのことを思い遣ってくれない夫もかなりの問題。かづさんは義母と夫が嫌になり、一瞬は離婚も考えますが、逃げずに戦うことを決めます。その姿はまさに悪に立ち向かう勇者!
本作は、義母と同じ姑の立場になったかづさんが、若き日の自分みたいな女性たちに向けて書かれているのがポイントです。あとがきには、エピソードを書いているうちに「腹立たしさが湧き上がり、同時に涙があふれて動悸が激しくなる事も⋯⋯」とあり、マンガでコミカルには描かれていますが、義母との記憶を呼び起こすことが容易でなかったのがわかります。それでも書いてくれるかづさんに、優しさと負の連鎖を断ち切ろうという強い意志を感じるのです。
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『義母クエスト ~結婚したらいきなりラスボス戦でした~』
赤星 たみこ (著), かづ (企画・原案)
Ameba公式トップブロガー原案、累計2200万PV超の大人気実話漫画! 義母の攻撃を乗り越え、戦い続ける20歳主婦「かづ」。令和の主婦同志に向けた、嫁姑闘争のメモワール(回顧録)ついに書籍化! 幸せなはずの新婚生活が、"ラスボス"義母の襲来で一転。「邪悪な義母の支配から、私の人生を取り戻す!」と、かづは立ち上がる。
かづ
Ameba公式トップブロガー。時事ネタから井戸端会議まで幅広いジャンルを綴ったブログ「―こんな事を言っちゃあなんですが!―」を運営している。
構成/大槻由実子
編集/坂口彩
作者プロフィール:
赤星たみこ
宮崎県日之影町生まれ。1979年 講談社「mimi」でマンガ家デビュー。少女マンガから青年マンガ、エッセイなどで幅広い層から支持され、映画化、テレビ化された作品も多い。『グランマ!まんがで読めるおばあちゃんの知恵袋』(集英社クリエイティブ)や『セスキ・石けん・過炭酸塩で清潔暮らし』(辰巳出版)など多数の著書がある。