ミモレブロガーの大熊洋子さんが、季節にマッチした、とっておきのスカートを紹介します。

 

まだまだ寒いパリの早朝に、分厚いウールのロングコートに袖を通したら、あれれ? 何故だかしっくりこなかった。

三月。この、冬から春に季節がスイッチする一ヵ月間は、一年のうちで最も着るものに頭を悩ませる時期なのかもしれない。気持ちと気温がちぐはぐし、どうも噛み合わないのだ。

 

ミモザの黄色だったりチューリップの赤。鮮やかなブルーのメッシュが入った小鳥が素早く視界をかすめた一瞬。目が、心が、こんなささやかな春の訪れをいったん認識してしまって以来、真冬の装いにはもう戻りたくない私がいた。

しゃーない、世にも素敵なあのとっておきを下ろすとするか。1年前のプレコレクションで一目惚れをした、メドモワゼルの大地の色のスカートを。

 

緑、黄色、オレンジ、茶色、etc。アースカラーのタイダイが印象的なマーメイドラインのマキシ丈スカートがこの日の主役だ。バイアスのシルクは落ち感が絶妙にエレガントで、立ち姿のシルエットをひときわ美しく見せてくれる。

角度によって、動きによって表情を変えるプリントパターンがあれば他には何もいらない。トップスはブラックで統一して黒子にまわってもらおう。レザーのライダースとニットでミニマムに伊達の薄着だけれど、この程度の寒さならしのげそうだ。さあ仕上げに足元はどうする? あえてレインボーカラーの派手スニーカーを持ってきて更に盛るのはどうだ。

 

地球の色(アースカラー)は自然の色。海の色や山の色を人間がまとって仕上げに虹。春よ来い。はーやく来い! うん、我ながら完璧なフィロゾフィーだな。

 

構成/幸山梨奈
 

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