家族であるはずのペットを「飼えなくなったから」と言って動物保護施設に預ける人は少なからずいます。犬、猫に限らず、小動物や鳥などの施設もあり、多くの動物たちが捨てられ、保護されています。その後、里子が見つかるケースもあれば、殺処分されてしまうことも……。
なぜ、愛せないのに、動物を飼ってしまう人がいるのでしょうか。

 

飼う前のシミュレーション不足

 

私たちはペットを飼うときには、「この子を一生、守り続けるぞ」と誓う必要があります。ただし、単に誓ったところで、守れない人も少なからずいます。なぜなら、「飼うときには想像もしなかったような出来事」が起こることもあるからです。

動物を家族として迎え入れる前に、きちんとその動物について勉強し、「飼ったらどうなるのか」、また「5年後、10年後、それ以降も飼い続けられるのか」まできちんと考える必要があります。そのシミュレーションが甘いと、ペットに悲しい思いをさせてしまうのです。
では、具体的に、どんな原因で手放してしまうことがあるのでしょうか。

世話がかかることが理解できていなかったから


ペットはかわいいだけではありません。ご飯を与え、排せつの処理をし、犬であれば、朝晩の散歩も必要となることが多いです。また、鳴き声がうるさい子もいれば、トイレを覚えないで家の中でしてしまう子もいるでしょう。
さらに、子供の頃はかわいくても、大人になれば、見た目も性格も変わってきます。

ロボットではないので、動物には動物の感情や欲望があります。それは、飼い主がコントロールできない部分もあるでしょう。
たとえ思い通りにいかない存在でも、「家族として守り続ける覚悟」が必要となってくるのです。

お金がかかることを理解していなかったから


ペットを飼うのは、想像以上にお金がかかります。アニコム「家庭どうぶつ白書」によると、2021年の「1年間にかけた費用(犬、猫)」の平均は、犬345,572円、猫169,247円とのこと。
生涯飼育費用は、犬、猫共に250万円以上はかかると言われています。

私は以前、うさぎを11年ほど飼っていましたが、そのうさぎが2回も足を骨折し、手術&入院、通院をしたので、その治療だけでも1回につき30万円以上の費用がかかりました。生涯飼育費用は少なくとも150万円以上です。
他の動物であっても、結構費用がかかることが多いので、飼う前に調べておいたほうがいいし、ペットのためにそれなりに貯金はしておいたほうがいいでしょう。

特に最近は、ペットが長生きして、飼い主が介護するケースも増えています。認知症治療が必要なケースもあり、飼い主でも手に負えないような状況になってしまうことも。さらに、ペットが歳をとればとるほど、医療費もかかってきます。
この現実を理解した上で、自分は飼えるのか、飼い続ける覚悟はあるのかは考えたほうがいいです。

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