現代は、「あれをしてはダメ」「これをしてはいけない」と、禁止や非難されることが増えています。そういった声に従い、単に「正しい人間」になろうとして、苦しんでしまっている人もいます。
なかには、「正しい人間になることが、大人になること」だと考えている人も……。
本当の意味で、「大人になる」とはどういうことなのか。また「大人の魅力」とは何でしょうか?

 

「罰を避けるために我慢する」のは、本質とズレている

 

単に「罰を受けない」ために我慢するだけでは、本質とはズレているところがあります。
たとえば、不倫をすると社会的制裁を受けることも少なくありません。だから、「不倫はしてはいけないものなんだ」と考える人も多いでしょう。
もちろんできることなら、不倫はしないほうがいいですが、単に「罰を受けるから、やらない」という発想しかない場合は、“学校の校則を守る小学生”と近いものがあるかもしれません。

そんな発想をもったまま、「(やりたくても)やってはいけないから」といって単に我慢し続けていると、ストレスばかりがたまってしまうでしょう。
もちろん不倫を薦めているわけではありません。ただ、不倫に限らず、現代は、そうやって「やりたいことであっても、ただただ罰を避けるために我慢をして、ストレスをためている人」が多いのです。

大人であれば、「やってはいけないことだから、やらない」というだけでなく、そこにある本質を理解し、その上で「感情や欲望を抑える術」が必要となってくるのです。
 

我慢するだけでは限界があるから


人間は、我慢するにも限度があります。限界を超えてしまうと、精神的に病んでしまうこともあります。
そもそも我慢するというのは、「自分が納得できていない状態」であることも多いもの。表面的に「やってはいけないことだから、やらない」という理解によって守っている程度であれば、当然でしょう。
大人だからこそ、きちんと考えて、自分でも納得し、さらに自己コントロールできるようになる必要があるのです。

今回は「不倫」を例にしますが、不倫に限った話ではありません。本質的な部分では、あらゆることに当てはまります。

不倫のケースでいえば、
(1)どうして不倫をしてはいけないのか(=そこにある本質)を理解する。
(2)“ただただ我慢して、ストレスをためない能力”を身につけ
る。
ということが必要となってきます。
 

(1)どうして不倫をしてはいけないのか(=そこにある本質)を理解する


本来、不倫というのは、法的なことは置いといても、「配偶者を裏切る行為(=思いやりのない行為)」だからやってはいけないことです。そこをまず理解しないといけません。
不倫をする人は、「ただただ相手を好きになっただけ。配偶者を傷つけたいわけではなかった」ということが多いもの。それは、大人として、視野が狭すぎます。

逆に、「配偶者を傷つけてでも、不倫したい」という人は、単なる自分勝手です。そういう人は、結婚生活を維持させる資格はないかもしれません。むしろ離婚をしたほうが、双方が幸せになれることもあるでしょう。

ただし、もし配偶者から婚外恋愛の許可をもらい、なおかつ、“家庭外の恋人”もあなたが既婚者であることをOKしてくれていたら、どうでしょうか? 
ダメなこととは言い切れません。また、当人以外の人たちがとやかく言うことではなくなってきます(=社会的制裁もなくなります)。

一般的にはダメだと言われていることでも、そこにある本質を見て、問題となる部分を解決することができれば、可能になることはあります。
もちろん配偶者が承諾する可能性は低いですが、なかには「お互いに外で恋人を作ることを許可しよう」というルールをもって、OKしてくれるパターンもあるでしょう。

ただし、配偶者が外での恋愛を認めてくれなかったら(※そっちのほうが多いですが)、ただただ我慢するしかなくなり、溢れてくる感情によって心が辛くなってしまいがち。その辛さに耐え切れず、結局、不倫に走ってしまう人は少なくありません。
そうならないためにも、(2)の「ストレスをためにくくする能力」を身につける必要があります。
それについては、次のページで紹介します。
 

次ページ▶︎ 大人として必要な「ただただ我慢して、ストレスをためない能力」とは

【漫画】私たちは、本当に「大人」になれたのか
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