脳の成長バランスが崩れると「発達障害もどき」に


よりイメージしやすくするため、脳の発達を「家づくり」にたとえてみましょう。家全体を支える1階が、からだの脳です。からだの脳の上に乗る2階はおりこうさん脳。からだの脳とおりこうさん脳をつなぐ階段の役割を果たすのが、こころの脳です。

社会で生きていくために必要な力(相互コミュニケーション力など)、発達障害の人が苦手とする力は、からだの脳の上に建った2階の部分、または階段部分にあります。そして、イラストの通り、土台となるからだの脳ができていないと、おりこうさん脳とこころの脳は、しっかりとそこに在ることはできません。

 

からだの脳が盛んに育つのは0〜5歳の間です。この時期は優先して、からだの脳を育てる時期です。しかし、この時期に早期教育などで、おりこうさん脳ばかり刺激すると、土台がうまく育たないことがあります。土台がしっかりしていないと、バランスが崩れやすく、将来何かあったときに家全体が倒れてしまうことも。つまり、からだの脳がしっかり育っていないと、脳全体のバランスが崩れることがあるのです。

 

脳のバランスが崩れた結果、「落ち着きがない」「集団行動ができない」「ミスや忘れ物が多い」などの行動が出たり、学校生活などがうまくいかなくなることは多々あります。実は、これらの行動が発達障害で現れる症候によく似ているので、からだの脳が育っていない子は、「発達障害」と勘違いされてしまうことも往々にしてあるのです。これこそ、まさに発達障害もどきだといえるでしょう。