モデルとして、テレビ出演やラジオパーソナリティとしても活躍中の浜島直子さん、愛称“はまじ”。彼女がファッション、ビューティ、ライフスタイル、さまざまなジャンルで新しい自分を発見していく連載です。今回は、モデルはまじにとって“書くこと”とは? というお話です。

 

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日記も書いたことのないのに、エッセイを書く理由

 

4月20日に私の2冊目の随筆集『けだま』を出版されます。1冊目『蝶の粉』を出したのが、2020年の10月。当時はフルマラソンを走ったような脱力感で、次を書く決心はできませんでした。そこから数カ月書くことは休み、その後、毎月一篇ずつコツコツ書いて完成したのが今回の『けだま』です。

2冊目の随筆集を出すというと、「はまじは文章を書くのが得意なのね」と思われるかもしれませんが、まったくそんなことなくて。今までの人生で日記も書いたこともないし、普段の生活の中でメモを取ることすらほとんどありません(笑)。はっきりと言えば“文章を書く”ということにかなり苦手意識があります。

同じく“言葉”を使うことでいえば、“話す”ことは得意といっていいかはわかりませんが、「面白いです」と即答できます。。投げかけられたことに対して打ち返す会話のラリーは瞬発力なので、思ったことをぽろっと口にしてしまう(笑)、私には楽しい時間。ぐんぐん進められます。対して、文章となると、いろいろ思い巡らせ、立ち止まってしまい……。

『けだま』は、毎月一篇ずつ、締め切りを設けてもらって、そこに向かって必死に書いていく作業でした。パソコンは開いているけれど、まったく進まず、途中で何度となく、明菜ちゃんのコンサートの映像を見たり、ネットショッピングをしたり、Instagramを投稿したり……。それでもどうにか、ギリギリであったとしても締め切りに遅れることなく毎月1篇を書いていく。コツコツ続けることは得意な方なのかな、約2年かけて全篇を書き終えることができました。

書きたいのは「ストーリー」よりも「空気」

そんなに苦手意識があるのに、なんで書くの? というのは、私自身も思うことですが、ひとつ言えるのは、人生であった出来事や気持ちを自分なりに整理できるから、なのかもしれません。書くことで、無意識の世界で思っていたことが、どんどん整理されて表に出てくる。ああ、私、あのことを、こんな風に思っていたんだなと。文章に書こうと向き合うことで、心の中で道筋が出来て整理されていく。

私の随筆に書かれていることって本当に些細なこと。大それたストーリーでもないし、みんなが驚くようなどんでん返しもないし、ビックリするようなこともほとんど起きません。ある一篇に対して、母からは「そんな昔の小さな出来事をよくひとつに書けたねえ」と驚かれたほど(笑)。

たぶん私が書きたいのは、ストーリーでも美しい文章でもなく(書けたらいいですけど!)、空気感。読後に私が感じたような空気をどうやったら伝えられるのか、それを考えながら、書いているので、本当に難しい……! でも、それが私にとって、苦手ながらも書くことの醍醐味だと思っているし、まだまだ未知数の作業なので、向き合っているのだと思っています。

どんな随筆なのか、タイトルを『けだま』にした理由などは、また今度お話ししますね。
 

 Information 
はまじの2冊目の随筆集『けだま』が4月20日発売!

 

『けだま』
著者 浜島直子 定価1540円 大和書房

モデルはまじが、「服」を入り口に、愛してやまない普通の日常を温度感をもって綴る22編のエッセイ集。「カゴ・カゴ・カゴ」「おっぱいと水色のロンパース」「シスターモデルの七つ道具」「さらばブラジャー」など、はまじと同世代のミモレ読者には気になる題材が満載です。帯には、伊藤まさこさん、のんさんの推薦コメントも!



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構成・文/幸山梨奈
 


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