「母の日」はアメリカ生まれ。一人の女性の行動がきっかけで制定

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母の日は、アメリカ生まれの記念日です。1900年代初頭、ウエストバージニア州のアンナ・ジャービスという女性が、母の命日である五月九日に、母が愛した白いカーネーションを胸に飾り、集まった人にもそれを配って、母への感謝を表したことにはじまります。これが反響を呼び、1914年、議会の決議を経て、五月の第二日曜が「母に感謝をする日」として定められました。

母を亡くした人は白いカーネーションを、母が健在な人は赤いカーネーションを胸に飾り、花束を母に贈るのが本来の習わしですが、今は赤いカーネーションが一般的です。

いつも忙しいお母さんに感謝の念を込め、プレゼントを贈る人も多いでしょう。プレゼントの定番にエプロンがありますが、今はむしろ、骨休めをしてもらうための旅行券や、おしゃれな洋服やアクセサリーが人気のようです。

 


監修者プロフィール
新谷尚紀(しんたに たかのり)さん

民俗学者。早稲田大学大学院博士課程修了。国立歴史民俗博物館・国立総合研究大学院大学名誉教授。現在國學院大學大学院客員教授。主な著書に『日本人の春夏秋冬―季節の行事と祝いごと』(小学館)、『なぜ日本人は賽銭を投げるのか―民俗信仰を読み解く』(文藝春秋)、『なるほど!民俗学』(PHP 研究所)、『民俗学がわかる事典―読む・知る・愉しむ』(日本実業出版社)、『神々の原像―祭祀の小宇宙』『柳田民俗学の継承と発展―その視点と方法』。

『季節の行事と日本のしきたり事典ミニ』
著者:新谷尚紀(監修) マイナビ出版 1018円(税込)

お正月や端午の節句などの日本の古きよき伝統から、現代から根付いた行事まで。日本の伝統的なしきたりについて、その内容や意味をまとめ、親しみやすいフルカラーのイラストで解説します。季節の移ろいをしっかりと感じ、日々の暮らしを豊かにするヒントにもなる一冊です。


構成/さくま健太