ワンピース、ジャケットともに36、38、40の3サイズ展開。生地はイタリアのファリエロサルティ社の最高品質のバックサテンジョーゼット素材を使用。ミモレ×saqui ブラックフォーマルジャケット¥45100、ストレートワンピース¥42900/mi-mollet STORE

現在mi-molletSTOREで、ミモレ別注のブラックフォーマルワンピース&ジャケットが発売になっています。別注をお願いした「サキ(saqui)」は、元編集者で、パリのメゾンでも経験を積んだデザイナー岸山沙代子さんが手掛けるブランド。

今回の別注をお願いするにあたって、サキのデザイナー岸山さん、mi-molletSTOREバイイングディレクターの福田麻琴さんと相談し、こだわったのは、服としての美しさや着心地はもちろん、喪のシーンでのマナーなど、あらゆる点で大人世代が満足できるブラックフォーマルであること。その別注の魅力を詳しくご紹介します。

1. 大人世代が安心して着られて、控えめなおしゃれ感がある

ワンピースの後ろには足捌きがいいようにバックスリットが入っていますが、かがんでも膝裏や内ももが見えない長さにこだわりました。167㎝のモデルが「38サイズ」を着用。
ミモレ×saqui ブラックフォーマルジャケット¥45100、ストレートワンピース¥42900、【ヴィクトリアンジェット2点セット】グラデーションネックレス・ピアス/イヤリング¥209000/mi-molletSTORE  バッグ¥66000/和光 パンプス¥57200/ペリーコ(アマン)

ノーカラーのジャケットと七分袖のワンピースをセットアップとして着ています。喪服は膝が見えない着丈であることが基本。別注では、膝下丈ではなく、ふくらはぎが半分隠れるミモレ丈に。椅子でも正座することになっても、脚が見えないかやきもきすることなく座ることもできますし、お辞儀したときにも後ろ姿が気になりません。

この点は、バイイングディレクターの福田麻琴さんが別注をお願いするときに、まず相談した点だと言います。

「私を始め、40代に入ってそろそろちゃんとした喪服を、と思っている方は多いと思うんです。20~30代のときは、急場しのぎでなんとなく揃えたものしかないから、ミモレ世代になって着ようとすると、膝下ではあるものの着丈が心許なかったり、デザインが今の自分に合わない、なんて声をよく聞きます。だから、40代、50代、60代……とこの先ずっと着られるブラックフォーマルを作りたいなと思ったんです。そうなると、しっかり丈があるということはマストの条件だし、加えて年齢を重ねても体型をあまり気にせず着られて、でもすっきりと見えるシルエットをと考え、ほどよくゆとりのあるストレートシルエットに。打ち合わせや試作の段階ではフレアーシルエットも検討しましたが、どんなテイストが好みの方でも着やすいものを、と思い、ストレートシルエットに決めました」(福田さん)

福田さんとサキのデザイナーの岸山さんがミモレ世代以降の女性が着やすいことを第一に考えて作られたワンピースは、体のラインを拾いませんし、体型に多少の変化があったとしても対応できる、ほどよくゆとりのあるサイズ感に仕上がっています。

ワンピースの丈を長めにしたので、ノーカラーのジャケットは少し短めにして、バランスよく着られるようにしました。またジャケットの袖は、ほんの少しだけ広がっています。おしゃれ感を出そうとして変に何かをあしらったりせず、上質な素材とデザインの美しさで潔くおしゃれに見せてくれる一着です。


2. 夏はワンピース一枚で。上質な素材の深い“喪の黒”なのでジャケットなしでも上品に

ミモレ×saqui ブラックフォーマルジャケット¥45100、【ヴィクトリアンジェット2点セット】グラデーションネックレス、ピアス/イヤリング¥209000/mi-molletSTORE  バッグ¥66000/和光 パンプス¥57200/ペリーコ(アマン)

お葬式は季節問わず、突然にやってきます。別注のワンピースは、すでにお伝えした通り、しっかりと脚が隠れるミモレ丈。そして露出を控えたほうがいい喪のシーンでも対応できる七分袖です。ワンピース一枚で着ていても気品が漂う上質な生地が使われているのもポイント。イタリアのファブリックブランド、ファリエロサルティ社の最高品質のバックサテンジョーゼット生地は、とろみがあり、しなやか。光沢がなく、しっかりとした黒に染め上げられています。実はこの生地の色名は「ジェットブラック」。漆黒の宝石、モーニングジュエリーと呼ばれる“ジェット(和名:黒玉)”が由来です。

お葬式ではあまり手を入れる必要はありませんが、お葬式の場以外へも着ていくことを想定し、左右にポケットもついています。

また一枚で着たときには、サキだからこその考え抜かれたパターンが光ります。前身頃と後ろ身頃の2枚仕立てではなく、脇に生地を入れた計4枚の裁断で仕立てることで、自然な立体感が生まれ、体を緩やかに包み込んでくれます。

「このワンピースは着る人を美しく見せてくれますし、何よりも本当に着心地がよくて、黒が美しい。岸山さんが惚れ込んだ生地だということが着てみるとよくわかりますし、パターンの美しさに定評のあるサキだからこそ叶った一着だと思っています」と福田さん。

3. 喪主になったとしても“正喪服”として着られるデザインと素材

正喪服として着るときは、帽子(憔悴して整えるのもままならない髪や肌を隠すもの)と黒の手袋を合わせるのがセット。小物や着こなしで亡くなった相手への敬意を表します。167㎝のモデルが40を着用。ミモレ×saqui ブラックフォーマルジャケット¥45100、ストレートワンピース¥42900、【ジェット3点セット】グラデーションネックレス・ピアス/イヤリング・ブローチ ¥352000/mi-molletSTORE  帽子¥27500/シュオ バッグ¥55000/和光 パンプス¥18700/リーガル(リーガルコーポレション) その他/スタイリスト私物

タイトルに「これで喪服を買うのは最後」と入れたのは、生地が褪色することなく、漆黒を保ってくれることに加えて、正喪服としても着用できるデザインと素材だから。

正喪服とは、親族など近しい人が亡くなったときや自身が喪主になったときに着る喪服で、上質な生地、そしてできるだけ肌の見せないようなデザインと小物合わせが求められます。一般に弔問で訪れるときに着るのは準喪服と呼ばれ、最近では、このふたつをしっかりと分けないこともあるそうですが、送る人への哀悼の気持ちで正式なファッションをするのは悪いことではありません。福田さん自身も今回のコラボレーションでの制作、そして撮影を通して、こんなふうに感じたと言います。

「年齢を重ねるほどに悲しいことではありますが、お葬式は増えていきますし、喪主になる可能性もないとはいえません。撮影では帽子や手袋などもあわせた正喪服としてのスタイリングもご提案しましたが、今回のブラックフォーマルがあれば、どんなときでも間に合わせとなることなく、すべての喪のシーンに対応してくれるのも心強く感じます。 “持っているものをなんとなく着ていく”ではなく、自分自身も着ていて心地よいブラックフォーマルで、きちんと装うことは故人への敬意を表すことでもあるなと感じました」

「そろそろ納得いく喪服を揃えたい」と思っている皆さん、“そろそろ”は今かもしれません。ミモレ別注のサキのブラックフォーマルは、6月6日23:59までの期間限定販売です。気になった方はぜひ、下記の詳細をチェックしてみてください。またこれから編集部の着比べ記事などもアップされますので、ぜひ購入の参考にしてみてください。

問い合わせ先/
アマン tel. 03-6805-0527
シュオ tel. 03-5725-2390
濱野皮革工藝 tel. 03-6691-8123
リーガルコーポレーション tel. 047-304-7261
和光 tel. 03-3562-2111

参考文献:『大人の礼服とマナー』(文響社)『図解 社会人の基本 マナー大全』 (講談社)

撮影/須藤敬一
スタイリング/福田麻琴
ヘア&メイク/重見幸江
モデル/阪井まどか
構成・文/幸山梨奈