6月6日23時59分までmi-mollet STORE にて期間限定で予約販売を受け付けているミモレ✕saqui ブラックフォーマル。今回はmi-mollet STOREのバイイングディレクターでスタイリストの福田麻琴さんに、喪服を作りたいと思ったきっかけやデザインのこだわり、ブラックフォーマルの小物合わせのコツなどをお伺いします。

服として美しい「saqui」だからこそ喪服をお願いしたいかった

161㎝でサイズ38を着用。ミモレ×saqui ブラックフォーマルジャケット¥45100、ストレートワンピース¥42900、【ヴィクトリアンジェット2点セット】グラデーションネックレス・ピアス/イヤリング¥209000/mi-molletSTORE  バッグ¥77000/濱野屋皮革工藝 パンプス¥18700/リーガル(リーガルコーポレーション) その他/スタイリスト私物

卒入学式の母ファッション企画のスタイリングを担当したり、ブランドとのコラボレーションでもセレモニー服を作ることが多いという福田さん。

「普段シンプルでカジュアルなスタイルですが、子供がいて卒入学などのセレモニーを経験しているからなのか依頼されることが多いんです。皆さん、私が制約があるほうが燃えることを知っているのかしら(笑)。実際、冠婚葬祭のような、ただおしゃれであればいいわけではない、マナーやルールが細かくある中で服のアイデアを考えたり、コーディネートするのは好きだし、得意な気はしています。そんな私ですが、喪服を作るのは今回が初めてでした。

mi-mollet STOREで作ろうと思った理由はといえば、川良編集長もミカヅキ店長も私も40代半ばだったから。この世代はみんな頭のどこか片隅に”喪服をそろそろどうにかしないと……”という思いがモヤモヤとあるんですよね。喪服を着るシーンはいつも突然訪れて、急遽間に合わせで買ったり、昔買ったものをとりあえず引っ張り出して着たり。そして帰り道に”そろそろちゃんと納得がいく、自分らしくて、ずっと着られるものを探しに行こう”と心に誓うんですが、なかなか見つからないし、本腰を入れて探しに行く時間もない……。いい加減、このよくないループから抜け出すため、自分たちで作ってしまおう! となったわけです」

作ることが決まり、ブラックフォーマルの別注を依頼したのは、福田さんが以前から交流があったブランド「サキ(saqui)」。パリのメゾンブランドでの経験もあるデザイナーの岸山沙代子さんが手がけるブランドです。

「以前から撮影用のリースなどでもお世話になっていて、ワンピースが美しいブランドというイメージがありました。ミモレでのオケージョン特集でサキの黒のジャケットを紹介したときも、見てくれた方たちからとても反響がありましたね。”喪服ブランド”ではなくて、あくまでも美しい服を作っているブランドに喪服も作ってもらいたい。そう思ったときにサキが思い浮かび、打診したところ、なんと作ったことがあるということ! じゃあミモレらしいものにしようとコラボが始まり、ジャケットとストレートワンピースができあがりました」

バランス良く見える短め丈の「ジャケット」。袖は少しだけフレアに

ミモレ×saqui ブラックフォーマルジャケット¥45100、ストレートワンピース¥42900、【ヴィクトリアンジェット2点セット】グラデーションネックレス・ピアス/イヤリング¥209000/mi-molletSTOR

「最初の写真を見ていただくとわかるとおり、ワンピースの丈をしっかり長めにしたのがいちばんのこだわり。もう今は膝下丈では心許なくて、座ったときも膝が絶対に見えないミモレ丈じゃないと安心できなくて。そしてワンピースの丈を長くした分、ヒールの低い靴でもバランス良く見えるようにジャケット丈は短くしてもらいました。そして着心地や脱ぎ着しやすさを考えて、袖は少しだけフレアに。ボタンも何もない、ファリエロサルティ社のバックサテンジョーゼット生地の黒、そしてフォルムの美しさが際立つジャケットです」

「ワンピース」は両サイドに生地を足し、体を優しく包み込む立体感のあるフォルムに

ミモレ×saqui  ストレートワンピース¥42900、【ヴィクトリアンジェット2点セット】グラデーションネックレス・ピアス/イヤリング¥209000/mi-molletSTORE

「そしてパターンが素晴らしく、いつも美しいワンピースを作るデザイナー岸山さんからの提案で、両サイドに生地を追加し、体をふわりと包み込んでくれる立体的な一枚になりました。体のラインも拾わないですし、ほどよいゆとりのおかげで着ていてもストレスがありません。喪服を着るときは心に負担がかかるとき。せめて着るものはストレスのないものがいいですよね。ストレスがないといえば、ファリエロサルティ社のバックサテンジョーゼット地。なんとシワになりにくい素材のうえに、ホームクリーニングでOKなんです」

”葬”のシーンでの靴やバッグの合わせ方。髪型はどうする?


喪服はもちろんですが、合わせるジュエリーや靴バッグなど小物も気になるところ。福田さんにおすすめを聞いてみました。

暑い時期はワンピース一枚でもOK。涙を想起させる真珠を合わせて

夏のお葬式にはワンピース一枚で。七分袖で丈も長くてフォルムが美しいので、一枚で着ても上品。ミモレ×saqui  ストレートワンピース¥42900/mi-molletSTORE バッグ¥77000/濱野屋皮革工藝 パンプス¥18700/リーガル(リーガルコーポレーション) その他/スタイリスト私物

「今回のミモレ✕saquiブラックフォーマルと同時に予約販売がスタートしが”喪のジュエリー”と呼ばれるジェットも、黒い服に黒いジュエリーで素敵。でも喪のジュエリーはジェットだけでなくて、パールでも大丈夫。ただしアコヤ真珠のみでバロックパールや淡水パールは避けたほうがいいそうです。粒が大きすぎないもので1連ネックレス、ピアスは一粒をあわせています」

バッグや靴は光る金具がないもので。装飾が少ないほうが無難

ミモレ×saqui  ストレートワンピース¥42900/mi-molletSTORE バッグ¥77000/濱野屋皮革工藝 パンプス¥18700/リーガル(リーガルコーポレーション)

「喪服に合わせる靴やバッグは、光沢がないマットな黒が基本ルールです。本来は殺生を想起させる革はNGで布製のものとされていましたが、最近は長く使えるものをということで革製も許容されるようになっているようです。ただしその場合も金具などが光らないものを選んで。このバッグもハンドル部分と本体を金具で繋いでありますが、黒くコーティングされています。靴は低めのヒールで、ポインテッドよりはもう少し丸みのあるトゥで」

ロングヘアはすっきりとまとめて。メイクもシンプルに

「ロングヘアの場合、ひとつにすっきりとまとめるのが◎。そのときも結ぶ位置は低めにして落ち着いた印象にします。お焼香して頭をさげたときに髪が顔にかからないようにするのが基本です。メイクは華美にはしないものの、ノーメイクというわけにはいきません。眉や目元を整え、ベージュのリップ、あまり色は使わずに仕上げるのがよいそうです」

大人の女性による、大人の女性のための「ブラックフォーマル」はいかがでしたか? 期間限定商品になるので、気になった方はぜひ下記の商品ページで詳しくチェックしてみてください。

撮影/須藤敬一
出演&スタイリング/福田麻琴
ヘア&メイク/重見幸江
構成・文/幸山梨奈