正しい表現は「のべつまくなし」

 

「のべつくまなし」と「のべつまくなし」。一度正しい意味を理解すれば「どっちだった?」と悩むことがなくなるはずです。

まず「のべつ」の意味から。
絶え間ないこと。ひっきりなし。のべたら。
(広辞苑 第七版/岩波書店 より引用)

状況に変わりなく、ひっきりなしにその事がなされる(繰り返される)様子。
(新明解国語辞典 第八版/三省堂 より引用)

続いて「のべつまくなし」の意味はこちら。
①芝居で、幕を引かず、休みなく引き続いて演ずること。
②転じて、ひっきりなしにつづくさま。

(広辞苑 第七版/岩波書店 より引用)

「のべつ」の強調表現。
(新明解国語辞典 第八版/三省堂 より引用)


広辞苑にあるように、「のべつまくなし」の「まくなし(幕無し)」は幕を引かないことと分かれば、「のべつくまなし」と誤ってしまうことも無くなるでしょう。
 

 

「のべつくまなし」と約3割が勘違いしてしまった理由は?

文化庁の調べをみると、約3割の人が「のべつくまなし」と誤用していたことがわかります。

推測ですが「のべつ」(ひっきりなし)&「まなし」(間が無い)と受け取ってしまったり、「のべつ」(ひっきりなし)&「くまなし」(くまなく=すみずみまで目の届かないところが無い様子)と理解してしまったりという勘違いが誤用の原因なのではと感じました。