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「ミレーナ」として知られる、「子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)」をご存知でしょうか? 2007年に子宮内避妊器具として認可された後、2014年には月経困難症や過多月経の治療薬として承認され、保険適用となりました。「生理が軽くなった!」という声も多く、女性からの関心が高まっています。今回は、「医者のいらないラジオ」に、産婦人科専門医の鈴木幸雄先生をお招きし、「ミレーナ」のメリット・デメリットや効果の仕組み、「IUD」、「低用量ピル」との違いなどについて聞きました。

 

教えていただいたのは……

 

鈴木 幸雄先生
医学博士。産婦人科専門医・指導医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、女性ヘルスケア専門医、腹腔鏡技術認定医。これまで多くの婦人科がん患者の手術や化学療法を担当し、現在はコロンビア大学メディカルセンター産婦人科博士研究員として臨床疫学研究に従事。また公衆衛生、医療政策、医療経営などにおける知見も持つ。日本専門医機構理事、横浜市立大学産婦人科客員研究員、在米日本人の健康と医療を支える「FLAT」の理事などを歴任。Twitter:@yetii18


編集:鈴木先生、本日はよろしくお願いいたします。まずは、「ミレーナ」が一体どんなものかを教えてください!

鈴木:よろしくお願いします。まず、「ミレーナ」とは、「子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)」のことです。日本ではこの一つしか使用されているお薬がないということもあり、「ミレーナ」という名前の方が、知られているかもしれませんね。この「ミレーナ」ですが、高い避妊効果に加えて、月経痛の緩和や、経血量を減少させる効果があるお薬です。

編集:そうなのですね! 実は、私も月経困難症で、現在は「低用量ピル」を服用しています。

毎日の服用が必要な「低用量ピル」と比較して、一度装着したら5年間はそのままでもよいと言われている「ミレーナ」に、とても興味があるのですが……。子宮内に、器具を入れるのですよね? 一体どのような仕組みで、月経の辛い症状が緩和されるのでしょうか?