「ミレーナ」の効果の仕組みとは? どんな形? 痛みはあるの?


鈴木:まずは、子宮の中に一体どんなものが入るのか、イメージしていただきたいと思います。「ミレーナ」は、大体 3cmほどの、柔らかいプラスチック製のT字型の器具で、この器具を子宮内に装着します。「ミレーナ」にはテールと呼ばれる紐が付いていて、装着後は、その紐が子宮の出口から少し下がっているような状態になります。

挿入時に痛みを感じる方もいらっしゃいますが、一度入ってしまえば、痛みや違和感は感じません。子宮の中はドーム状になっており、それより奥に器具が入ってしまうことは基本的にありませんので、一度きちんと装着できさえすれば、非常に安全なお薬なんです。

 

編集:なるほど! 「痛いのかな? 入れた後は、ずっと違和感を感じるのかな?」という不安もありましたが、問題なさそうですね。ちなみに、この「ミレーナ」を子宮内に装着することが、どうして避妊や月経困難症の緩和に繋がるのでしょうか?

鈴木:鍵となるのは、女性にとって非常に大切な「黄体ホルモン」です。月経周期の前半というのは、卵子を成熟させていく時期(卵胞期)になりますが、その後は排卵(排卵期)が起こり、その時期を過ぎると「黄体ホルモン」が放出され、黄体ホルモンの効果により子宮内膜がそれ以上、厚くならないようになります(黄体期)。そのうち二週間ほどすると月経が来る、というサイクルになっています。

「ミレーナ」を子宮内に装着することで、この月経周期の後半に放出される「黄体ホルモン」が、先ほどご説明したプラスチック製の器具から5年間、じわじわと持続的に出てくるんですよ。
そうすることで、子宮内膜を常に薄い状態に保つことができます。

結果として、経血量を減少させたり、痛みを緩和したり、高い避妊効果を発揮したりするのです。

編集:なるほど! すごい仕組みですね。ちなみに、「ミレーナ」はどんな人に向いているのですか? 誰でも装着できるのですか?