巷に溢れるオーガニック食品の数々。合成肥料や農薬を使わずに栽培、加工されているため、「環境にも健康にもよさそう」と手に取られたことがある方も、多いかもしれません。ですが、オーガニック食品は、そうでない食品と比べて、健康によいと言えるのでしょうか? 今回は、オーガニック食品と健康との関係について、山田悠史先生に聞きました。

 

教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。著書に、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。
Twitter:@YujiY0402


編集:オーガニック食品については、農薬や化学肥料を使用していないため、「なんとなく環境や健康によいだろう」という認識なのですが……。実際のところ、健康へのポジティブな影響がどの程度なのか、気になっています。

山田:農薬や化学肥料を使用すれば、健康に悪影響を及ぼすのではないかという懸念があり、これらの薬品を使用しないオーガニック食品、好まれていますよね。

従来の農法では農薬が使われている。そして、農薬は害虫を殺すものなので、健康に悪い。なので、「従来の農法で育てられた食品は健康に悪いに違いないだろう」と思われるかもしれませんが、果たして実際にそう言えるのかどうかは、直接確かめてみなければわかりません。

理論上は正しく聞こえても、よく考えてみると、物事はそんなにシンプルではないことが分かっています。

編集:どういうことでしょうか?