年々代謝が衰える40代以降は、どうしても太りやすくなるもの。とはいえ、「食べないダイエット」はさらに代謝を落としてやせにくい体になるだけでなく、げっそりと老けた印象を招きます。
「効率よく栄養をとることが健康的にやせるいちばんの秘訣。代謝がスムーズに行われて、生理機能もきちんと働きます」と管理栄養士の関口絢子さん。そのために積極的にとりたいのが発酵食品です。
「発酵食品は微生物によって分解された食品。分解されることで消化吸収がよくなり、また新たな栄養素が生み出されます。微生物の種類によっては腸内の善玉菌に働きかけて、排出力を高める効果も。一日の推奨量はありませんが、何かしらを毎日とりたいですね」
この連載では8回に渡って、ダイエットのために取り入れたい発酵食品とおすすめの食べ方をご紹介。第3回目は「キムチ」です。
 

さまざまなダイエット効果が期待できる!

韓国料理でおなじみのキムチ。韓国女性にスリムで肌がきれいな人が多いといわれているのは、キムチを食べているからという説も……。実際にキムチにはさまざまなダイエット効果があるようです。
「キムチは植物性の乳酸菌で発酵させた食品。植物性の乳酸菌は動物性に比べて胃酸に強く、腸まで届きやすいといわれています。加えてキムチはもともとが野菜なので食物繊維が多く、乳酸菌との相乗効果で便秘解消も期待できるんです」と関口さん。
「またキムチにはトウガラシ、ニンニク、ショウガなどの香味野菜がたっぷり使われています。これらは体を温め、代謝アップに効果的。特にトウガラシに含まれるカプサイシンは発汗作用があり、内臓脂肪を燃焼させる効果があるといわれています」
ポッコリお腹の原因は便秘や内臓脂肪といわれています。キムチを食べることで腸内環境が整って脂肪が燃えれば、お腹やせも期待できそう。

「さらにキムチには、代謝のビタミンと呼ばれているビタミンB群が豊富です。糖代謝、脂質代謝のサポートになるので、ダイエットにも役立つでしょう。特に炭水化物といっしょに食べることで、糖質が消化しやすく、燃焼もしやすくなるでしょう」
そのほかビタミンC、ビタミンAも多く含まれるので、美肌効果も期待できるそう。韓国女性のきれいの秘密のひとつがキムチというのにも納得できますね。ただし塩分も相当含まれています。やせたいからといって、食べすぎには注意しましょう。1日50gを目安に。
 

 


おすすめレシピ① キムチトッピング

 

「キムチをいつもの食事にプラスすることで、食べたものが消化しやすくなります。特に今の季節は暑いからと言って、そうめんなどの麺類が多くなりがちで、意外と糖質過多になりやすいんです。麺類をはじめとする炭水化物にキムチをトッピングする習慣をつけるだけで消化吸収が高まり代謝もアップします」
 


おすすめレシピ② 発酵キャベツ

 

「キムチが発酵する原理とまったくいっしょなのが、発酵キャベツ。キャベツに付着している植物性の自然の乳酸菌が発酵を促してくれるので、キムチと同じような発酵食品の仲間になります。材料はキャベツと塩のみ。作り方も簡単なので試してみてください」
お漬物感覚で食べるのもよし、ドイツのザワークラフトのようにお肉の付け合わせにしたり、油揚げと和えるのもおすすめだそう。ちなみに下のレシピにローリエやキャラウェイシードなどのハーブを入れるとザワークラフトになります。

 材料(作りやすい分量) 
・キャベツ 1kg
・塩 20g(キャベツの2%)

 作り方 
1.キャベツを太めの千切りにして、水分がしっかり出るまで塩もみする。

2.ビニール袋などに入れて空気をしっかり抜き、重しをして3日ほど常温で放置して発酵させる。

3.時々様子を見て、好みの酸味になったら、消毒した容器に移し替えて冷蔵庫に。
 



さまざまなダイエット効果があることがわかったキムチ。市販されているもののなかには、キムチ味の調味料に野菜を浅漬けしただけの非発酵のものもあるのでご注意を。必ずパッケージに「発酵」というワードが入っているものを選んでください。
 


関口絢子さん料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。
“食を通じて世の中を元気に健康にしたい”をモットーに、すぐに実践したくなるお役立ち情報を発信。エビデンスに裏付けされた、美と健康に関するお悩み解消レシピに定評があり、なかでも登録者数43万人越えのYouTube「管理栄養士 関口絢子のウェルネスキッチン」が人気。

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写真/Shutterstock
構成・文/村田由美子
 

 

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