年々代謝が衰える40代以降は、どうしても太りやすくなるもの。とはいえ、「食べないダイエット」はさらに代謝を落としてやせにくい体になるだけでなく、げっそりと老けた印象を招きます。
「効率よく栄養をとることが健康的にやせるいちばんの秘訣。代謝がスムーズに行われて、生理機能もきちんと働きます」と管理栄養士の関口絢子さん。そのために積極的にとりたいのが発酵食品です。
「発酵食品は微生物によって分解された食品。分解されることで消化吸収がよくなり、また新たな栄養素が生み出されます。微生物の種類によっては腸内の善玉菌に働きかけて、排出力を高める効果も。一日の推奨量はありませんが、何かしらを毎日とりたいですね」
この連載では8回に渡って、ダイエットのために取り入れたい発酵食品とおすすめの食べ方をご紹介。第4回目は「ヨーグルト」です。
排出力アップだけではない。代謝もアップできるのがヨーグルトの魅力
ミモレ読者のなかにも「健康によさそう」と毎日ヨーグルトを食べている人も多いのではないでしょうか? 特に腸活によいイメージが大きいですが、ほかにもダイエットにうれしい栄養素がたくさん含まれているようです。
「牛乳に乳酸菌やビフィズス菌などの発酵菌を入れて人工的に発酵させたものがヨーグルト。発酵させることによって、たんぱく質が細かく分解されるようになるので、消化吸収がよくなっているのが特徴です。また体内では合成できない『必須アミノ酸』も多く含まれるので、良質なたんぱく質を摂ることができます」と関口さん。たんぱく質は筋肉をはじめとする私たちの体を作るために欠かせない栄養素。特に40代以降は筋肉が落ちやすくなっているのでしっかり摂りたいところです。
「さらに脂肪を燃焼させ、エネルギー代謝や細胞の新陳代謝を高めるといわれているビタミンB群、カルシウムの吸収を助けるビタミンKも」。カルシウムは骨や歯の原料となるだけでなく、精神を安定させる作用もあるといわれています。ダイエット中や更年期などのイライラの緩和にも一役買いそう。
「ヨーグルトに使われる菌はさまざまあり、腸との相性もあると思います。その中で私が注目しているのが、悪玉菌の増殖を防いで腸内環境を整えるビフィズス菌。赤ちゃんのときに作られておなかの健康を保ってくれるビフィズス菌は、年齢と共にどんどん減ってしまいます。ヨーグルトなどの食べ物から積極的に摂っていきたいですね」
ヨーグルトの仲間、チーズもダイエットの味方に
「ヨーグルトと製法は異なりますが、発酵菌によって乳製品の栄養素が細かく分解され、栄養の消化吸収がよくっているという点で同じく注目したいのがチーズ。不足しがちなカルシウムの供給源にもなります」と関口さん。でも、チーズは脂肪分が気になる?
「もちろん、たくさん食べてしまうと脂肪の摂りすぎや、カロリーオーバーになってしまいます。毎日ひとかけくらいがよいでしょう。腹持ちもよいので余計な間食をしなくてすむうえ、代謝のビタミンであるビタミンB群が補給できるのも魅力です」
おすすめレシピ・ヨーグルトバナナ
「ヨーグルトに加えたいのが、オリゴ糖と食物繊維を多く含むバナナ。どちらも善玉菌のエサになるものなので、一緒にとることで相乗効果が期待できますよ」
腸内環境がさらに整えば、老廃物の排出もよりスムーズに。それにより細胞の働きが活発になるので基礎代謝アップも期待できます。バナナの糖質はおだやかに吸収されるのもダイエット向きといえます。
「ヨーグルトは健康にいいと思いながら、乳製品全般を悪者に考えている人も少なくないかもしれません。確かに牛乳に含まれるカゼインは未消化のままだと腸壁を傷つけるといわれ、乳糖を分解できない乳糖不耐症の人もいることは確か。でもそんな牛乳のデメリットを発酵させることでなくし、プラスに変えたのがヨーグルトです。ぜひダイエット&ビューティの味方に」(関口さん)
関口絢子さん料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。
“食を通じて世の中を元気に健康にしたい”をモットーに、すぐに実践したくなるお役立ち情報を発信。エビデンスに裏付けされた、美と健康に関するお悩み解消レシピに定評があり、なかでも登録者数43万人越えのYouTube「管理栄養士 関口絢子のウェルネスキッチン」が人気。
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写真/Shutterstock
構成・文/村田由美子
第1回「発酵食品の栄養が凝縮された「酒粕」で“やせ”と“美肌”のスピードを加速!」>>
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