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たっぷりの食物繊維でおなかすっきり!「ごぼう」を食べよう

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ダイエット=食べない、と考えがちですが、「40代以降の“食べないダイエット”は危険です」と警鐘をならす管理栄養士の岸村康代さん。
「“食べないダイエット”は短期間でやせるには効果的ですが、40代以降は貧血など体調をくずす可能性が高くなります。そして体重は落ちてもやつれてしまい、一気に老けて見えることも。それだけでなく代謝が落ちて、逆に太りやすい体質になってしまうのです」

そういう岸村さんは20代のときに“食べないダイエット”と“リバウンド”を繰り返し、すっかり太ってしまった経験の持ち主。その後、栄養学を学び、バランスよくきちんと食べることで15kgのダイエットに成功しました。

そこで豊富な経験と知識をもつ岸村さんが、“食べるダイエット”に役立つ食材をピックアップ。“やせる栄養素”の秘密や、ダイエット効果をさらに上げるレシピを6回に渡ってお届けします。今回は“やせる栄養素”食物繊維が豊富な「ごぼう」です。

“やせ物質”の“短鎖脂肪酸”を増やす野菜「ごぼう」

根菜がおいしい季節になってきました。そこで積極的に食べたいのが「ごぼう」です。
「ごぼうは食物繊維の含有量が野菜の中でもトップクラス」と岸村さん。
「糖質の吸収を妨げ、血糖値の上昇をゆるやかにする働きのある水溶性食物繊維のイヌリンと、便のカサを増して腸を刺激し、便通をスムーズにする不溶性食物繊維のリグニンが豊富です。水溶性と脂溶性の2種類の食物繊維をバランスよく含み、しかも100gあたりの含有量が、レタスの約5倍! 糖尿病や肥満の予防としても最近注目を集めている“短鎖脂肪酸”を増やし、腸内環境をさらに改善する効果が期待できます」

そのほか注目したいのが、強い抗酸化力をもつクロロゲン酸。「ポリフェノールの一種で強力な抗酸化作用があり、血糖値の上昇をゆるやかにして脂肪の蓄積を防ぐ働きがあります。さらに肝機能の改善のほか、体の酸化や炎症を抑える効果も。最近の研究ではごぼうを電子レンジにかけると、ポリフェノールの量が増えるということもわかりました。ゆでずに加熱するのがおすすめです」。さらにむくみを予防するためにも大切なカリウムなどのミネラルも豊富だそう。

 

調理法によっては“もったいない”結果に

 

ごぼうは皮をむいて、カットしたあと水にさらしてアクを抜いてから調理する人が多いと思いますが「これは非常に残念なこと」と岸村さん。
「ごぼうの皮の部分には栄養も旨味成分もたっぷり! 皮ごと食べるのが正解です。泥が気になる場合はアルミホイルなどでこするときちんと落とせますよ。また水にさらすのも残念な方法。先ほど説明したポリフェノールのクロロゲン酸が流れ出てしまうのです」
ごぼうは酸化して変色しやすいので水にさらしたくなりますが、切ったらすぐに調理するように段取りを組むようにしましょう。
「さらに茹でると水溶性の食物繊維が流れてしまいます。電子レンジにかけたり、炒めるなどの調理法を選ぶのが正解です。煮ものに入れる場合は、煮汁もいただくとベストです」

相性がよい食材は「ごま油」

 

「ごま油にはすぐれた抗酸化作用があります。ごま油で調理することで、ごぼうをコーティングしてパサツキを防ぐほか、ごま油の風味が加わることでごぼう特有のえぐみや渋みも感じにくくなり、さらに食べやすくなります」

岸村さんおすすめ! 「ごぼう」の“食べやせ”レシピ

 

「きんぴらごぼうと聞くと、普段はフライパンで傷める人がほとんどだと思います。先ほどいったように、ごぼうは電子レンジにかけるとポリフェノールが増えるので、今回は電子レンジを使ったレシピです」

「レンチンきんぴらごぼう」


 材料 
・ごぼう 1本
・ごま油 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・酒 大さじ1

 作り方 
1.ゴボウは泥をよく落とし、ささがき、または乱切りにする。

2.すぐに耐熱容器に入れて調味料のすべてを入れて軽くまぜ、電子レンジ600Wに1分半
ほどかける。

「電子レンジにかけすぎるとパサついてしまうので気をつけてください。またにんじんを入れるのもおすすめ。ごぼうにはほぼ含まれないベータカロテンを補うことができます。さらに、にんじんからも食物繊維がプラスできます」


ごぼうは新ごぼうなどいくつか種類がありますが、本来の旬は11月~2月。葉物野菜に比べて、日持ちもするので常備しておきたいですね。

岸村康代さん フードプランナー、管理栄養士、野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人大人のダイエット研究所・代表理事。商品開発、メニュー開発、事業開発、講師、執筆、メディア出演など多方面で活躍中。著書に『「食べなかったこと」にできるダイエット:「やせる食べ合わせ」の法則』(三笠書房)など。http://www.power-food.jp/

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写真/Shutterstock
構成・文/村田由美子
 

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