いつもの主食を「玄米」にするだけで、体が締まってくる!
ダイエット=食べない、と考えがちですが、「40代以降の“食べないダイエット”は危険です」と警鐘をならす管理栄養士の岸村康代さん。
「“食べないダイエット”は短期間でやせるには効果的ですが、40代以降は貧血など体調をくずす可能性が高くなります。そして体重は落ちてもやつれてしまい、一気に老けて見えることも。それだけでなく代謝が落ちて、逆に太りやすい体質になってしまうのです」
そういう岸村さんは20代のときに“食べないダイエット”と“リバウンド”を繰り返し、すっかり太ってしまった経験の持ち主。その後、栄養学を学び、バランスよくきちんと食べることで15kgのダイエットに成功しました。
そこで豊富な経験と知識をもつ岸村さんが、“食べるダイエット”に役立つ食材をピックアップ。“やせる栄養素”の秘密や、ダイエット効果をさらに上げるレシピを6回に渡ってお届けします。今回は“やせる主食”「玄米」です。
白米に比べて“やせる栄養素”がぎっしり!
玄米といえば、ヘルシー志向の高い人が食べているイメージがありますが、まさに美しくやせるための栄養素の宝庫だそう。
「玄米の胚芽やぬかには大変すぐれた栄養素が多く、白米と比べて特にビタミンB群やビタミンEが豊富。ビタミンB群は糖質や脂質等からエネルギーを作り出して代謝を助ける栄養素ですが、なかでもビタミンB1は糖質の燃焼を助ける“やせるために必要な栄養素”です。食物繊維も豊富なので腸活にもおすすめ。また白米よりも糖質の吸収が穏やかなのも特徴です」と岸村さん。
そして玄米は2日ほど浸水させて発芽させる「発芽玄米」にすることによって、消化吸収しやすくなり、GABAが増え、フェルラ酸などの抗酸化成分も増してきます。
「白米と比べると、玄米はビタミンB1は8倍、食物繊維は約5倍。血糖値の上昇もゆるやかになります。また脳の働きを助け、心身をリラックスさせるGABAも含まれます。玄米は食物繊維が豊富で噛み応えがあるので、ゆっくりよく噛むことで、食べすぎを防ぐ効果も。玄米が苦手な人は、発芽玄米にすることによって、少しやわらかくなるので食べやすくもなります」
いずれにせよ白米に比べて噛み応えがある分、満腹感も得られ食べすぎを抑える効果も期待できそう。
美容食材「サーモン」といっしょに食べると最強に
主食といっしょにぜひ玄米に足りないたんぱく質もとりたいところですが、なかでもおすすめなのがサーモン。
「サーモンは良質なたんぱく質で、DHAやEPAなどの良質な脂質を含みます。さらに糖質代謝に必要なビタミンB1、脂質代謝を助けるビタミンB2、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6が含まれるやせる食材でもあるんです。またビタミンB6は玄米のGABAの体内合成をサポートする役割も。そしてアンチエイジング成分として注目されている抗酸化成分のアスタキサンチンは、脂質の代謝を助ける効果も期待できます」
まさにサーモン自体が“やせる食材”!
玄米、サーモン、そこに野菜の小鉢、お味噌汁で、究極の“やせる定食”になりますね。
岸村さんおすすめ! 「玄米」の“食べやせ”レシピ
「サーモン定食もよいですが、手軽に食べたいときにおすすめなのが丼もの。ねばねば食材を合わせることで食物繊維がさらに補えるほか、とろっとした食感が加わり、食べやすくなります」
そのほかどうしても玄米が苦手、自分は食べられるけれど家族が苦手な人のためのアドバイスもいただきました。
「玄米のお手軽 納豆めかぶ丼」
材料
・玄米ごはん お茶碗1杯分
・納豆 1パック
・めかぶ 1パック
作り方
1.納豆とめかぶを混ぜ、納豆のたれをかける。お好みでしょうゆを少したらして味を調える。
2.どんぶりに盛りつけた玄米ごはんの上に1をかける。
お好みできざみ海苔やゴマなどをトッピングしてもOK。
「玄米特有の匂いが苦手な人は、玄米ごはんに、カレー粉(適宜)、塩(少々)、ごま油(適宜)を混ぜておにぎりにしてみてください。カレー粉の風味でおいしくいただけますよ。またサバ缶を混ぜてもおいしくなりますし、たんぱく質もとれる一品に」
最近では玄米おにぎりや、玄米を出すレストランも増えてきました。「自宅で毎日は難しい」という人は、お店を利用して週に3~4回は白米をぜひ玄米にスイッチしてみてください。
岸村康代さん フードプランナー、管理栄養士、野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人大人のダイエット研究所・代表理事。商品開発、メニュー開発、事業開発、講師、執筆、メディア出演など多方面で活躍中。著書に『「食べなかったこと」にできるダイエット:「やせる食べ合わせ」の法則』(三笠書房)など。http://www.power-food.jp/
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写真/Shutterstock
構成・文/村田由美子
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