「送料無料」は本当は「無料」ではない

「送料無料って言うな」に思わずドキッ。「顧客至上主義」に染まっていた自分に気づく1冊の本_img2
写真:Shutterstock

現代では多くの人がECサイトを利用し、その便利さの恩恵を受けています。本、衣類、食品……極端にいえば、消しゴム一つでもポチッとすれば自宅に届けてくれる。そんな世の中になりました。「送料無料」を謳うECサイトも非常に多く、それが「特別なサービス」というよりも、「当たり前」と感じてしまっている部分も少なからずあります。ですが橋本さんは、本書の中でこう訴えます。
 


いいかい、ECサイト各位。送料無料という言葉はいい加減使うな。

ちょっと考えれば分かることだが、「送料無料」は本当は「無料」ではない。
これほど世の中に通販が蔓延(はびこ)るなか、仕事を無料で引き受ける配達員がどこにいる。いいかい各位、「送料無料」とされている商品でも、その代金に送料は含まれているのだ。
――『やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます』より
 
 


それなのに、なぜECサイトは「送料無料」と掲示するのか。その答えはもちろん、消費者に「お得感」を演出できるから、と橋本さん。昔から「ただより高いものはない」とは言うものの、やっぱり無料という言葉につられてしまうのが消費者のさがというもの。

例えば、「送料弊社負担」「送料込み」など言い方はいくらでもあるのに「送料無料」とするのは、「運び手を度外視した『顧客至上主義』が世間にあるからだ」と橋本さんは指摘します。
 

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