僕はゼロからイチの振付師

アン ミカさん自身からポジティブカウンセリングを受けているみたいと大好評! 4刷も決定。『Let’s Do アンミカ! アン ミカの ポジティブ相談室』

まさにアン ミカさんらしさが全開のこの1曲。見るだけでも元気をもらえますが、マネをして踊るとよりポジティブな気持ちになれるはず、と太鼓判を押します。

「僕は自分のことを“ゼロからイチの振付師”と呼んでいまして。つまり、『ダンスなんて……』と敬遠しているゼロのところから腰を上げてもらう、そこまでが僕の一番の仕事なんです。一回腰を上げてイチになってしまえば、あとは簡単ですから。『私は踊れないから』と言う人は多いですけど、リズムに乗って数歩歩くのも立派なダンス。正解も不正解もなくて、ただやるかやらないかだけなんですよ。だから今回の『アンミカーニバル』では、『ダンスとか無理!』と毛嫌いしている人にも踊ってもらいたくて。そのためにもアンミカさんが楽しみながら踊れて、彼女の魅力が120%出る振付にしたんです」

 

とくにこだわったポイントは、“非日常”な動きだと言います。

「アンミカーニバル」ではアン ミカさんの愛の言霊が炸裂!オープニング&サビはこちら♪

「ダンスの動きの多くって、実は日常の動きのデフォルメなんですよ。たとえば手を振る動きは『バイバイ』と同じだし、ターンだって振り返る動作と同じ。でもそこに、日常では基本やらない動きが入ってくると新鮮ですよね。このMVだと、サビの部分でアンミカさんが手を頭の反対側に回して乗せる動きをしていいます。ただ頭の上に手を乗せる動きなら普段もやるけど、反対側からってないじゃないですか。そういう非日常な動きを音楽に合わせてやっていると、だんだんその違和感が気持ち良くなってくるんですよ。そうしていつしか、『ああ、踊るって楽しいんだ』となるかもしれない。このMVは、自分が好きな個所を踊ってほしいという思いも込めて作られていますが、ピックアップするなら僕的にはサビのこの動きが一番オススメです」

ダンスは得意不得意、好き嫌いに関係なく、絶対に誰もが楽しめるもの。踊ることに自信がない人にとっては、嬉しいし「やってみようかな」という勇気ももらえるお言葉。そんな信念を持つパパイヤさんに、自身はこの先どのように踊っていきたいと思っているのかも伺いました。

「今年57歳になりますけど、もちろん年齢が上がるに従って踊りの種類は変わってきています。若い人の踊りはカッコいいと思うけど、僕には合っていないな、と。50代60代には、その年代に合うダンスというものがあると思うんです。

僕は自分が踊るうえでも振り付けるうえでも、一つ大切にしていることがあって。それは『楽しく踊っている人を見て、見ている人も楽しくなる』ということ。これは極論ですけど、50代60代になってくるとフロアで激しく動くダンスよりも、バーでリズムに合わせて揺れている、というのが一番カッコいい。なぜならそれが一番心地よくて楽しいからです。ダンサーとしては、最終的にそこに行き着きたいなと思っている。揺れるだけなら、何歳になっても酔っぱらっていてもできますしね(笑)」


Profile
パパイヤ鈴木

1966年生まれ。東京都出身。16歳からダンサーとして活動を始め、17歳でレコードデビュー。20歳のときに振付師となり、松任谷由実など多数の著名人を振付。1998年「パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ」を結成。今年25周年を迎えた。今年夏には高校の同級生である錦織一清氏と「Funky Diamondo 18」を結成。精力的に活動中。


取材/山本奈緒子
構成/藤本容子