2015年のミモレ創刊時から、読者として、その後はブロガーとしてもミモレを支えてくれている山根亜希子さん。今日2023年10月28日で50歳を迎えます。SNAPや今日のコーデ、さまざまな特集で紹介される等身大のファッションに多くの共感が寄せられる山根さんに、来る50代のファッションについてお伺いしていく企画がスタート! その前に、今回は40代ファッションを過去の写真とともに振り返ってもらいます。
 

ミモレとともに駆け抜けた40代。コンサバ一辺倒から新たに「カジュアル」を覚えました


「おおげさではなく、私の40代はミモレとともに駆け抜けました(笑)。この8年、ミモレでいろいろなことに挑戦して、すごく柔軟に、そして積極的になれたような気がします。こんなに毎日のようにいろいろなおやつを食べ歩いている私ですが、実はブログを始める前は、行きたいお店はあっても『行ってみたいな……』と思うだけ。なんだか勇気(!?)が出なくて、家にいることも多かったんです、信じてもらえないかもしれないけれど(笑)。

ファッションに関しても、ヒールのあるパンプスと膝が隠れるタイトスカートが絶対で、たぶんいつもばっちり決まっていたと思います(笑)。ミモレ丈と呼ばれるような膝がしっかり隠れるスカートが出てきたのは、おそらくここ10年ちょっと前から。その前はミニじゃなくても膝が見えるくらいのスカートが主流でしたよね。でも、その中でも丈の長いスカートを探してはいていたほど。今も膝は出しませんが、夏ならワンピースのマキシ丈も着ますし、パンツもよく穿きます。当時は頑なに膝下丈のタイトスカートでした。着る色も、今も好きな色ではありますが、当時は黒・グレー・ネイビーばかり。柄もあまり着ていなかったと思います」

2015年の創刊直後、mi-mollet初登場の山根さんSNAP。このときもパンプスに膝が隠れるタイトスカート。色は黒・グレー・ネイビーでした。

「そんな私のファッションが少しずつ変化していったのは、ミモレ編集部の方に声をかけていただいてSNAPに出たり、ブランドのプレスルームで取材や撮影する機会をいただいたことがきっかけのひとつだと思います。編集部の方やブランドのプレスの同世代の女性がいろんなファッションを楽しみながらも、年齢による変化に悩んでいたりする姿を見て、みんな一緒なんだなと気づいたことで、私もいろいろ試してみたいなと思うようになって来たんですよね」

「いつも私のバッグが小さいことに編集部の方が注目してくれて生まれた企画でした。今も変わらずバッグは小さめ、特徴的な形のものが好きです♡」2018年8月の秋バッグ特集より。
「初めて買ったスニーカーはアディダスのスタンスミスのベルクロタイプでした」写真は2016年5月のブログより。

「いちばんの変化は、スニーカーをよく履くようになったことかもしれません。実はそれまでは近所のコンビニに行くときですらパンプスを履いていました(笑)。なんとなくコンサバが好きな私のファッションにスニーカーは合わないのかなと思っていたのですが……。履いてみると本当にラクだし、白スニーカーなら私の服とも相性がよさそうと思えたんです(その後もスニーカーは白ばかりですが、いつか私もカラフルなものを履く日が来るのでしょうか!?)。スニーカーと同じく、カジュアルの代名詞デニムも40代で初挑戦したアイテムです」

大草さんがコメントしてくださっているとおり、当日の私には珍しいボーイズライクなスタイル。まだカメラを向けられると照れ笑いしてしまっていた頃。今も撮影は変わらず緊張しますが、少しは上達した気がします……」2015年12月のSNAPより。

「スキニーに始まり、テーパードや最近ではカーブ型など、年齢と共に変化する自分の体型に合わせて、デニムも穿いてきました。スニーカー同様、ワードローブにデニムが加わったことで、着こなしの幅がとても広がった気がします。足元はパンプスだったとしても、タイトスカートではなくデニムを合わせることで、決まりすぎることなく、日常にちょうどいいスタイルになってくれるし、何よりデニムってどんなトップスも合うんですよね。肩の力を抜いておしゃれをすることを知ったのがこの時期だと思います」

 

30代は避けていた「可愛い」も40代で自然と着られるように

2019年1月に「今日のコーデ」初登場。「元々好きな色黒・グレー・ネイビーに加えて、エクリュやベージュなど柔らかな色も着るようになった頃です」

「40代は“可愛い”を再び着られるようになって時期でもありました。もともと20代の頃からボウタイブラウスやフリルは好きだったんですが、30代に入ってなんとなく“可愛い”は着てはいけないような気がして。でも、40代半ばになり、いい意味では自分自身も図々しくなり(笑)、世の中も少しずつ年齢に囚われないファッションができるようになってきた頃だったこともあり、素直に“可愛い”に惹かれる気持ちにしたがって着るようになりました。

ただ、20代の頃と違ったのは、”普通”のボウタイやフリルではなく、大袈裟なくらい大きなボウタイやレースや襟を選ぶようにしていたこと。これは”普通”だと必要以上に老けてみるなと思ったから。そんなふうに年齢を重ねる自分とファッションを、ポジティブに折り合いをつけながら楽しむ方法も自分なりに考えられるようになっていきました」

「おおげさなくらい大きいボウタイやフリル、レースの付け衿で作る“モード可愛い”というテイストも私のワードローブに加わりました」2021年1月「モード可愛いってなんだ?特集」より
昨年2022年の5月、スタイリスト室井由美子さんに流行の甘いアイテムの着こなしを教わる企画の1枚。「このブラウスは室井さんとお揃いの私物ブラウス。甘いブラウスにカジュアルナカーキのパンツ。自分では思いも及ばないけれど、着てみたいと思うコーディネートをいつも教えてくれます」

「”カジュアル”や”可愛い”を着るようになったからといって、もともと私のベースである”コンサバが好き”ということは変わっていないと思います。あくまでもベースはコンサバ。そこにカジュアルや可愛いがプラスされて、おしゃれの幅を広げることができました。きっと50代もそうなると思うし、そうであってほしいです。”50代だから”とがらりと変えるということではなく、元々の自分が好きな物に加えて、新しく気になること、気になっていたけれど挑戦できなかったことを取り入れていきたいと思っています!」

40代で「カジュアル」と「モード可愛い」がご自身のファッションに加わった山根さん。50代はどんなファッションに挑戦したいと思っているのでしょうか。次回から、50代の山根さんが目指したいファッションを披露してもらいます。スタイリングは、山根さんのファッションをよく知るスタイリストの室井由美子さんと相談しながら形にしていきました。


構成・文/幸山梨奈