【タイプCの解決法】成功に必要なものは劣等感だと認識する

 

自分を否定し、悲観的に現状を見るネガティブシンキングのことを劣等感と呼びますが、これは「自分を変える原動力」になりえます。ハングリー精神、というやつです。

英語では、楽観的なことを「glass half full」、悲観的なことを「glass half empty」という言い回しがあります。グラスの中に水を半分入れて、それを見た人がグラスの中の水を、「半分も」入っているととらえるか、それとも「半分しか」入っていないととらえるか、ということからきています。同じ半分の水が入ったグラスでも、ある人にとっては「水がグラスを半分満たしている(full)」と見えて、ある人にとっては「グラスが半分あいている(empty)」と見えるわけですね。

 

ではここでクイズです。東大生はどちらの回答をする人が多いと思いますか? アンケート調査を見るとちょうど半分半分くらいだということがわかっています。

東大生を取材して「東大を目ざし始めた理由」を聞くと、かなり多くの学生が「違う分野で挫折したから、そこから東大を目ざした」と答えているのです。

たとえば、「中学から6年間陸上部で、ほとんど勉強なんてしたことがなかった。だけど高3の6月、学生最後の大会でケガをしてしまって、不完全燃焼に終わった。そこから1年みっちり勉強し、浪人して、東大に合格することができた」とか、「将棋部に入って3年間努力していたのだが、勝てない相手がいて大会で準優勝に終わった。そこから、自分が一番になれるものはないだろうか、と考えて、勉強に対して本気になって、東大に合格することができた」とか、そんなふうに「何かうまくいかなかった高校時代の出来事がきっかけで、東大を目ざした」という人はめちゃくちゃ多いです。そしてこのモチベーションの人はほかの学生とくらべて合格しやすいのです。

fullの思考だけだと、どこかのタイミングで向上心が薄くなってしまうことがあります。「けっこう頑張ってここまでは来たし、ここくらいまででいいかな」と、現状に満足してしまいがちです。「こうなれるかもしれない!」という思いで始めているから、「ここまでで十分かな」と途中ですぐに満足しがちなのです。

逆にemptyの思考が強いと、「まだまだここがうまくいっていない」「もう少し頑張らないと」と自分の弱点と向き合って常に向上しようという心が強くなる場合が多いのです。だから、劣等感は悪い感情ではなく、成長のためには、必ず必要なものです。そう考えて、劣等感とうまくつきあっていくのも、一つの手段ではないでしょうか?