【タイプDの解決法】「選択する」機会を減らす

 

イライラしているというのは、脳が疲れているからかもしれません。人間、疲れているときにイライラしてしまうものですからね。だから、脳が疲れることを少なくしていくと、思考がクリアになっていき、イライラが減るかもしれません。

「脳が疲れることってなんだろう?」と思うかもしれないのですが、いちばんわかりやすく脳が疲れるのは「選択」です。ですから、選ぶという行為を少なくできるようにしていけばいいのです。

 

スティーブ・ジョブズは毎日同じような服を着ていました。なので、みんな「毎日同じ服なのか?」と不審に思っていたそうなのですが、実は真相は少し違いました。彼は、同じ服をたくさん持っていたのです。また、彼と同じようにいろんな人物が同じ服を何着も持って仕事をしているということがあります。

なんで!? と思うかもしれませんが、これは脳科学的にかなり理にかなっている話です。実は人間の脳は、1日に約35000個も選択しており、そのため脳が決断疲れを起こしてしまうのだという脳科学の研究結果が出ています。「35000個も選択すること、ある?」と思うかもしれませんが、考えてみてください。

・職場に着ていく服はどれにするか?
・何分の電車に乗るか、どの駅で降りるか?
・どのタイミングで仕事を始めるか?
・いつ取引先に電話をするのか?

そんなこまかい選択をしていくと、35000なんてあっという間です。

だから極力、選択することを減らしておくといいのです。スティーブ·ジョブズが同じ服を何着も持っているのは、「服を選ぶ」という行為をしなくてすむようにするためです。

同じ服を買ったり、一定の時間におふろに入るようにしたり、物のおき場所を決めておいたり、よく聴く音楽のプレイリストを固定にしたり……。選択を減らせるように準備を進めていくわけですね。東大生は、こういうルーティンを持っている人物ってけっこう多いです。無駄な選択で自分の脳を疲れさせないようにすることが重要なのです。

著者プロフィール
東大カルペ・ディエム

2020年に西岡壱誠を代表として設立。西岡を中心に、多くの「逆転合格」を果たした現役東大生が集まり、日々教育業界の革新のために活動している。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)の編集などのほか、東大生300人以上を調査し、多くの画期的な勉強法を生み出す。また「リアルドラゴン桜プロジェクト」と題した教育プログラムを中心に、全国20校以上でワークショップや講演会を実施。年間1000人以上の学生に勉強法を教えている。

監修者プロフィール
西岡壱誠(にしおか いっせい)さん
1996年生まれ。偏差値35から東大を目ざすも、現役・1浪と2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した勉強法により、偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、在学中の2020年に株式会社カルペ·ディエムを設立、代表に就任。全国の高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施、高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。テレビ番組「100%!アピールちゃん」(TBS系)では、タレントの小倉優子氏の早稲田大学受験をサポート。また、YouTubeチャンネル「ドラゴン桜【公式チャンネル】」を運営し、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。著書『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる東大作文』『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく東大思考』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部突破のベストセラー。

 

『「悩む」を時短する! 東大式感情コントロール術』
著者:東大カルペ・ディエム 主婦の友社 1540円(税込)

逆転合格した東大生集団「東大カルペ・ディエム」が、心理学や脳科学を利用し、「ネガティブな感情」の科学的な解決法を伝授します。人間のタイプを4つに分け、それぞれに合った解決法を提示するという丁寧さが魅力で、どれもすぐに実践できるものばかり。悩みに振り回されていると感じたらぜひご一読を!



写真/Shutterstock
構成/さくま健太